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これ以上シンプルに説明できない! 「わける」と「つなぐ」

理解力の話題を続けます。
私の提唱する理解力のモデルは、「第一の理解」と「第二の理解」に分かれています。第一の理解におけるゴールは「体系化」することであり、その体系化があるおかげで、第二の理解に進む(第二の理解を得る)ことができるわけです。
関連する記事はこちらです。ぜひご参照ください。


前回の記事において、私は理解するために必須のDASモデルにおける3段階目の行為、「体系化」について言語化しました。いいえ、「体系化」について体系化しました。

前回の記事はこちらです。


体系化とは、誰にでもわかるように、「こうなっていますよ」と示すこと。

自分で言うのもアレですが、私はこれ以上にシンプルな定義を知りません。そして私はこうも表現しました。

「体系化」=「構造化」+「モデル化」

自分で言うのもアレですが、私はこれ以上に数学的な定義を知りません。

今回はこの「構造化」と「モデル化」に共通する、2つの動作について話題にすることになります。私の発信をずっと追いかけてくださっている方は「なるほどあれか」と合点するでしょう。そうです、あれです。

「わける」と「つなぐ」

この2つの動作が、「構造化」と「モデル化」には欠かせないものになっており、ある程度の訓練が必要なものになります。今回の記事ではなぜこの2つの動作なのか、そしてどう訓練していけば良いのか、そのヒントが提供できればと思っています。

まずは「わける」と「つなぐ」について簡単に説明しましょう。

実はこのテーマは2020年に私が発表した小説本『わけるとつなぐ〜これ以上シンプルにできない論理思考の講義〜』にて表現した概念です。しかしながら意味はとてもシンプルでわかりやすいものです。すなわち、

論理思考と呼ばれるものはほぼ、「わける」と「つなぐ」だけで成り立っている。

私のこれまでの著作は多数ありますが、もっとも「読者の心」を動かした作品はこれだと思っています。実際これまでたくさんのご感想を頂戴してきたり、この本がきっかけで本業にも影響があったり。あらためて、本当にいい本が作れたと振り返ることができる自信作です。

ある女子高生がサッカー部のキャプテンとして成長する青春物語。「考える」とはどういうことかを学び、弱小チームが勝てるチームに変わっていく姿を描いています。チームワークや友情。学ぶとは何か。指導者とは何か。人が変わるとはどういうことか。そして親子愛。実はいろんなものを少しずつ描いた作品です。

発売して5年近く。あらためて、本当にいい本だと思います。学びたい方。感動したい方。人生を変えたい方。ぜひとも。

ちょっとした宣伝、失礼しました。本題に戻ります。

「わける」と「つなぐ」という2つの動作は、物事を構造化する際、あるいは物事をモデル化して表現する際、大いに役立つものです。

たとえばこんな例を考えてみます。

Q .  夫婦というものの「構造」を明らかにせよ

まずは夫婦というものは何でできているか、つまり要素分解を試みます。常識的な答えとしては、「夫」と「妻」のふたりで成り立っているとなるでしょう。(わける)

では次にそのふたりは、どんな関連付けができるでしょう。結婚という契約をしたわけですから、契約という概念で結びつけることができます。(つなぐ)


極めてシンプルな例ですが、この絵こそが結婚というものの構造を明らかにしたことになるのではないでしょうか。そして誰にでも同じようにわかる構造であると思います。

では次にこんな例を考えてみます。

Q .  利益というものの「モデル」を示せ

先ほどと同じように考えましょう。利益というものは何でできているか、つまり要素分解を試みます。常識的な答えとしては、「売上」と「費用」のふたつで成り立っているとなるでしょう。(わける)

では次にそのふたつは、どんな関連付けができるでしょう。「売上」と「費用」を比べた結果が利益ですから、比較をする際に使われる四則演算である引き算という概念で結びつけることができます。(つなぐ)

(利益)=(売上)−(費用)

極めてシンプルな例ですが、この式こそが利益というものをモデルにして表したことに他なりません。そして誰にでも同じようにわかるモデルであると思います。

以上、2つの例から、このような整理ができます。

★「構造化」「モデル化」をする方法
STEP1  まずはわける
STEP2  そしてそれらをつなぐ

私はこれ以上シンプルに説明することはできないと思っています。「どうわければいいの?」「どうつなげばいいの?」という各論は後回しです。まずはこのシンプルな言語化が間違いない本質であることが伝わるかどうか。じっくり味わってほしいと思っています。

もしこの言語化を信じていただけるなら、前回の内容を思い出してください。

私は構造化やモデル化の例として次のような絵を用いました。それらをもういちど見てみましょう。

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