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ドゥラメンテ追悼 ~力強く、そして荒々しく~


2021.8.31
生涯成績 9戦5勝。皐月賞と日本ダービーでの圧勝劇も記憶に新しいドゥラメンテが急性大腸炎の為、けい養先の社台スタリオンステーションにて、わずか9年の短い馬生に幕を降ろしました。




最終コーナーでドリフトするかのように、内から外に飛び出し、まるで搭載エンジンが違うんだと言わんばかりの剛脚で制した皐月賞が、つい先日の事のように脳裏に焼き付いています。

あなたはまさしく、ドゥラメンテ【イタリア語で"力強く"や"荒々しく"という意味】という名に恥じぬレースぶりを魅せてくれました。

現役当時の同世代には、ドゥラメンテ不在の菊花賞を勝ったキタサンブラック。
香港ヴァーズ、宝塚記念を制したサトノクラウン。
ドバイターフ優勝のリアルスティール。
獲得賞金10億円越えのジャパンカップ優勝馬、シュヴァルグランなど、国内外で活躍した強者揃い。


しかし度重なる怪我で、これらのライバル達より一足先に種牡馬入りしたドゥラメンテ。

初年度産駒のタイトルホルダーが、弥生賞1着や皐月賞2着など結果を出しましたが、かつてのライバル達が現役を引退し、まもなくそのライバル達の初年度産駒がデビューするというこの時期に、またしてもドゥラメンテは一足早く逝ってしまいました。

ドゥラメンテらしいと言えばドゥラメンテらしい最期だったとも思います。


偉大な父、キングカメハメハの後継種牡馬としての期待も大きかったと思います。
しかし、ドゥラメンテの血は確かに産駒達に受け継がれています。
そして、その産駒からまた次の世代の産駒まで、ドゥラメンテの血は脈々と受け継がれていきます。
こうして、遥か昔から脈々と受け継がれて来たサラブレッドの歴史や、その血は途絶える事はありません。


遥か昔、アメリカやヨーロッパの地で先人達が馳せた、様々な想いが血となり、私たちが今応援する競走馬の血脈へと、それらは確実に受け継がれています。

その逆も然り。

私たちの想いは血となり、50年、100年先の未来の競走馬にも脈々と受け継がれていきます。

改めて、競馬というブラッドスポーツの偉大さや秘められたロマンを再認識させてもらう機会となりました。




ドゥラメンテよ、安らかに...。
あなたの血や受け継がれてきたその想いは、50年先、100年先も力強く、そして荒々しくターフを駆けている事でしょう。

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