『ブロードキャスト』(著者:湊かなえ)は豊島岡女子学園中、栄東中、獨協中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容、あらすじ(ネタバレ)も紹介します!
■『ブロードキャスト』(著者:湊かなえ)について
この本は、あのミステリー推理小説家として有名な湊かなえさんの作品ですが、ミステリーでもサスペンスでもなく、純粋な学園青春ものです。
この本は、陸上部に入りたくて青海高校を受験した町田圭祐が、交通事故に遭い陸上ができなくるが、友達に誘われ放送部に入り活躍していくという物語です。
放送部の活動、先輩後輩の絡み、正也という才能ある友達、陸上との心の揺れなど、まさに青春時代の悩みやワクワクがいっぱいで、楽しく読める1冊です。
単行本で310ページ、文庫で369ページとボリュームもかなりあり、やはり中高生以上向けで、小学生向きではないので、読書力のある程度ある生徒さんでないと厳しいかもしれません。
詳しいあらすじを最後に書いています。読書感想文などを書く際に参考にしてみてください。(ネタバレになりますので、読みたくない方はご覧にならないでください。)
中学受験では、2020年度第1回豊島岡女子学園中学校、2020年度栄東中〈東大クラス選抜Ⅰ4教科型〉、2022年度第1回獨協中学校の国語の入試問題で出題されました。
◆2020年度第1回豊島岡女子学園中学校の国語の入試問題
大問2番で、最初に「青海学院高校の放送部がドラマ部門で全国大会出場が決まり、東京のホールで放送されることになり、5人までが東京に行ける。高3生は5人全員東京に行けるものと思っているが、僕は違和感を覚えている」という説明があり、「2年の白井先輩が、台本を書き作り上げた1年の宮本君を抜きで決めるのはおかしいと主張し、3年生たちも戸惑うが、結局、宮本正也が東京行きは3年生に譲る」という場面が出題されました。
大問1番は論説文で、大問2番まででした。
この大問2番の設問形式は、慣用句の問題が1問、5択の記号選択問題が7問、80字の記述問題が1問で全部で9問でした。
◆2020年度栄東中学校〈東大クラス選抜Ⅰ4教科型〉の国語の入試問題
大問5番で、物語最初の方の、青海学院に入学し、新入生オリエンテーションで部活動紹介の場面が出題されました。
大問1番は漢字、大問2番と3番は語句の挿入、大問4番は論説文で、大問5番まででした。
この大問5番の設問形式は、語句の意味が1問、5択の記号選択が7問、50〜70字の記述問題が1問で問8まで(問3が2問)でした。
◆2022年度第1回獨協中学校の国語の入試問題
大問3番で、最初にそれまでの放送部の経緯の説明があり、上記の2020年度第1回豊島岡女子学園中学校とほぼ同じ場面から出題されました。
大問1番は漢字の書き取り、大問2番は論説文で、大問3番まででした。
この大問3番の設問形式は、抜き出しの問題が1問、慣用句の問題が1問、5択の記号選択問題が3問、15字、50字、60字の記述問題が各1問で全部で8問でした。
■『ブロードキャスト』あらすじ(ネタバレ)
町田圭祐は、三崎中の頃、山岸良太に憧れて陸上部に入部し、長距離ランナーとして頑張っていた。中学最後の駅伝で、山岸は膝をケガし出場できず、圭祐自身は自己ベストを更新していたが全国への出場は果たせず悔しい思いをする。
山岸は、町田に自分は青海高校の推薦をもらっているから、町田も青海に入学してまたいっしょに高校の陸上部で走ろうと誘う。
圭祐は無事青海高校に合格するが、合格発表を見た帰りに交通事故に遭い、走れない足となってしまう。
青海高校入学後、陸上以外の部活は考えていなく、他の部活に興味はなかったが、同じ三崎中出身の宮本正也に声をかけられ、正也は青海高校の放送部に入りたくて入学したのだと聞かされる。そして、圭祐の声はイケボだから放送部へ一緒に入部しようと誘う。
圭祐は放送部が何をするのかも知らずについて行き、そのままテレビドラマの男子役が足りないから出てくれないかと頼まれ、引き受けることになり、入部することになる。
3年の女子先輩から女子役を誰かいないか探してほしいと頼まれ、咲良さんにお願いすると、アニメオタクでもともと放送部に入りたかった咲良は、喜んで入部することになる。
テレビドラマ部門の製作は終わり、ラジオドラマ部門がまだ手をつけていないことを知った正也は、自分が脚本を書くから応募させてほしいと頼む。
咲良はクラスの女子に軽くイジメを受けていた。中学の頃にもイジメを受けたせいで、スマホを見るのが怖くなり、スマホを使用できなくなってしまった。その咲良の姿を見てヒントを得た正也は、『ケンガイ』というラジオドラマの脚本を作り上げる。ただ書いてしまってから、咲良がどう思うか、傷つけてしまったのではと不安に思っていた。
しかし、高2、高3の先輩に認められ、圭祐が主役、咲良がその妹役で、ラジオドラマの製作は始まった。
ラジオドラマ部門で『ケンガイ』が順調に進む中、圭祐は夏休みに再び膝の手術を受けることになり、陸上部顧問から、手術が無事終了して走れるようになったら少しずつ走ってみないかと、陸上部へ誘われる。
圭祐は、放送部への思いと陸上への未練とで悩み始める。
『ケンガイ』が全国大会出場を果たし、準決勝まで進むが、決勝に進めず、その報告を正也から受けた圭祐は、正也と悔しい思いを叫びあった。圭祐はこれからも放送部でがんばりたいと思う。
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