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『しずかな日々』(著者:椰月美智子)は中学受験で多くの中学校で出題されました!国語の入試問題の内容を紹介!

■『しずかな日々』(著者:椰月美智子)について

この本は、中学受験ではもう出尽くしたかと思っていましたが、まだ出題されています。だいぶ前から出題されていて、塾のテキストにも掲載されているので、どこかで見たことがある文章だと思う生徒さんも多いと思います。

それだけ、いい作品です。第45回野間児童文芸賞第23回坪田譲治文学賞をダブル受賞しています。

夏期講習と受験勉強で忙しい小学生には、きっとこの枝田光輝の夏休みは羨ましいものでしょう。

小学5年生の枝田光輝は、お父さんを小さい頃に亡くし、お母さんと2人だけの生活をしてきました。押野という友だちができたことで空き地で初めて野球をしたり、他の友だちもでき、学校もだんだん楽しくなっていきます。そんなとき、お母さんが今の仕事を辞めて、新しい仕事を始めるため転校しなければならなくなります。学校でも誰とも話す気になれずにいると、担任の椎野先生に転校したくない気持ちを伝えることができ、お母さんは転校しなくてもいいと、母方の祖父のところに光輝を預けることにします。光輝は、おじいさんの家で、初めてお母さんと離れて暮らす夏休みが始まります。テレビもゲームもなくても、ここでの生活は光輝を確かに成長させてくれるしずかな日々だったのです。

女の子は、飼育委員の亀山さんと押野の姉しか登場しません。光輝の友だちの男の子たちとおじいさんの生活なので、特に男の子には楽しく読める作品です。
青い鳥文庫でも出版されていますので、ぜひ読んでみてください。

こんな夏休みをおくれたら楽しいですね。

中学受験では、2013年東京都市大学等々力中学校2016年度A日程神奈川大学附属中学校、2017年度第1回東京都市大学付属中学校2018年度第1回日本大学藤沢中学校2018年度第1回桜美林中学校2019年度鎌倉学園中学校1次入試の国語の入試問題で出題されました。

そして、東京都市大学等々力中学校では、2022年度第1回特選コースでも、また別の場面が国語の入試問題でも出題されました。

◆2016年度A日程神奈川大学附属中学校の国語の入試問題

大問4番で第2章から文庫で約14ページ分が出題されました。三丁目の空き地で野球をやるようになった光輝がお母さんにバットが欲しいとお願いして、バットを手に入れるところから、下記の日大藤沢中と同じ場面、飼育委員がクラスで飼う生き物を決めるところまでとかなり広範囲で出題されました。

大問1番は漢字の書き取り、大問2番は四字熟語、大問3番は論説文で、大問4番まででした。

この大問4番の設問形式は、4択の記号選択問題が6問、自由記述問題が3問で、全部で9問でした。自由記述問題の解答用紙の幅が、4行が2問、5行が1問でしたので、書く時間も残して読めなければならないので、かなり時間的にきつい問題でした。

◆2017年度第1回東京都市大学付属中学校の国語の入試問題

大問2番で出題されました。大問1番は論説文、大問3番は詩と和歌・俳句で、大問3番まででした。

この大問2番の設問形式は、適語補充が1問、語句2問、抜き出しが3問、4択の記号選択問題が2問で全部で8問でした。

◆2018年度第1回日本大学藤沢中学校の国語の入試問題

大問3番で第2章から文庫で6ページ分出題されました。飼育委員になった光輝は、クラスで飼う生き物を決めなければならなくなり、意見を言い、グッピーに決まるという場面でした。大問1番は、漢字の読み書き、部首、総画数、四字熟語の意味、熟語の組み立て、言葉の使い方、文法、鯉のぼりの絵を見て説明(40〜50字)、大問2番は論説文で、大問3番まででした。

この大問3番の設問形式は、抜き出しが2問、語句の意味・用法も含めて4択の記号選択問題が6問、40〜50字の記述問題が1問、10字の記述が3つセットで1問でした。

◆2018年度第1回桜美林中学校の国語の入試問題

大問2番で第6章から文庫で9ページ分出題されました。光輝が11歳のお誕生日をおじいさんの家で迎えることになり、お母さんも来てくれて、新しい自転車が誕生日プレゼントに届く場面です。
大問1番は、漢字・ことわざ・慣用句・画数・部首、大問3番は論説文で、大問3番まででした。

この大問2番の設問形式は、適語補充が1問、語句の意味が2問、4択の記号選択問題が6問、35字の記述問題が1問で全部で10問の出題でした。

◆2019年度鎌倉学園中学校1次入試の国語の入試問題

大問3番で、第6章から文庫で約9ページ分出題されました。光輝がおじいさんの家に来て12歳の誕生日に、お母さんも来て、買ってきてくれたケーキを食べるけれど、お母さんが帰った後に、おじいさんと光輝はスイカを食べたくなり、スイカに塩を振って食べる場面です。

大問1番は漢字の読み、大問2番は漢字の書き取り、大問4番は論説文、大問5番は四字熟語パズルで、大問5番まででした。

この大問3番の設問形式は、語句の意味が1問、適語補充が1問、熟語の組み合わせが1問、抜き出しが2問、4択の記号選択問題が7問、5択の記号選択が1問で、全部で13問でした。

◆2022年度第1回特選コース東京都市大学等々力中学校の国語の入試問題

大問2番で、第6章から最初に「ぼく(えだいち)は母方の祖父の家で暮らしていて、押野に誘われて工場へ行く」と説明があり、文庫で約9ページ分出題されました。「ぼくと押野は自転車で海沿いの工場まで行き、中に入るが、作業着を着たおじさんに見つかり、スクラップ工場だと聞いてがっかりする」という場面です。

大問1番は漢字の読み書き、大問3番は論説文、大問4番は朝日新聞の『天声人語』で、大問4番まででした。

この大問2番の設問形式は、4択の記号選択問題が4問、25字の記述問題が1問主語を問う問題が1問、会話文の補充が1問、語句の意味が1問、抜き出しが1問で、全部で9問でした。

◆2013年第3回特選コース東京都市大学等々力中学校の国語の入試問題

大問2番で、第3章から約7.5ページ分が出題されました。母さんの仕事の都合で引越ししなくてはならなくなり、転校したくないぼく(えだいち)が学校でまた以前のように話さなくなり、担任の椎野先生が心配して声をかけてくれる場面です。

大問1番は漢字の読み書き、大問3番は説明的文章、大問4番は「食生活に関する意識調査アンケート」の資料の読み取りで、大問4番まででした。

この大問2番の設問形式は、文の挿入が1問、抜き出しが6問、4択の記号選択問題が1問でした。

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