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『君が夏を走らせる』(著者:瀬尾まいこ)は海城中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容・あらすじを紹介します!

■『君が夏を走らせる』(著者:瀬尾まいこ)について

この本は、瀬尾まいこさんの『あと少し、もう少し』という作品の登場人物大田くんが主人公で、大田くんが突然先輩の1歳10ヶ月の娘の面倒をバイトとして見るように頼まれてしまうところから始まります。高校2年生の大田くんの子育て奮闘記のようなお話で、大田くんが走るシーンは公園でちょっとだけ元中学の陸上部と偶然一緒になった時に少し走るだけです。
高校2年生の男の子がオムツを変えたり、料理をして食べさせたりとなかなか頑張っていて、小さい子供を知らない学生にも、状況が目に浮かび、一緒になってハラハラしてしまう作品です。
読みやすく、楽しく、もし小さい弟さんや妹さんがいたら、とても共感できるでしょう。小学生にもおすすめできる1冊です。

最後のあらすじは、読書感想文を書く際などに参考にしてみてください。(ネタバレになりますので、読みたくない方はご覧にならないでください。)


中学受験では、2018年度第1回海城中の国語の入試問題で出題されました。

◆2018年度第1回海城中学校の国語の入試問題

大問1番で、最初に、「中3の時に駅伝で走って充実した時間を過ごしたために、高校でも陸上部に入るが大した活動がなく、さえない生活を送っているところに先輩から1歳の娘の面倒を見るように頼まれ、公園に遊びに連れて行く」という説明があり、その公園で中学陸上部の上原先生と出会い、タイムトライアルで大田が3キロ走ることになる場面が出題されました。

大問2番は説明的文章で、大問2番までです。
この大問1番の設問形式は、4択の記号選択問題が11問、80〜100字の記述問題が1問で、全部で12問でした。

■『君が夏を走らせる』のあらすじ(ネタバレ)

高校2年の大田(俺)は、かつては不良少年だったが、中3の時に、走るのが得意だったため駅伝のチームに入り、走る楽しさを知り仲間と充実した時間を過ごした。その勢いで高校でもと思っていたが、入学した高校は、不良を引き受けるためのような高校で勉強も部活もやる気のない生徒ばかりだった。陸上部に入部したが、部員がそろうこともなく、結局やめてしまい、昼前に私服で登校するような生活を送っていた。そんな夏休み、大田は急に3つ年上でもう結婚して働いている先輩から、アルバイトを頼まれた。2人目を妊娠している奥さんが切迫早産で入院することになり、1歳10ヶ月の娘鈴香の面倒を見てほしいと言うのだ。大田はそんな小さい子供の面倒など見れるはずがなく、絶対無理と断ったのだが、奥さんの実家ともうまくいってなく、他に頼める人もなく、どうしても引き受けてほしいと懇願され、大田は鈴香の面倒を見ることになる。まだちゃんとおしゃべりもできない鈴香とどうやって遊んであげればいいのかもわからず、最初はひたすら大泣きにつきあい手を焼くが、3日もすれば慣れると言われ、そのうちだんだん泣くことはなくなった。それでも食事をしてくれず、何とか食べさせなければと、チャーハンを作ってあげたら少しずつ食べるようになり、家の中だけでなく公園にも連れて行ってあげるようになり、そのうち、大田にとっても鈴香との生活が大切なものとなっていく。
ある時、公園で中学陸上部の上原先生が陸上部を連れて練習に来ているところに出会い、3キロのタイムトライアルをすることになる。大田はまだまだ走れる実感を味わう。
奥さんの2人目の出産も無事終わり、退院してくる前に、大田は鈴香の写真を撮り、鈴香の描いた絵を添えて奥さんの実家にそっと送る。
大田は鈴香とこのままずっと一緒にいたい気持ちを感じながら、自分もまだ走れると、別れを告げる。

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