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『空へのぼる』(著者:八束澄子)は鎌倉女学院中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容、あらすじを紹介!

■『空へのぼる』(著者:八束澄子)について

この本は、小学5年生の乙葉と15歳年上の姉桐子が交互に語る構成になっています。

この2人には両親がいません。桐子が15歳、乙葉が7ヶ月のときに両親は消えていなくなり、おばあちゃんの妹(おばあちゃんと呼んでいる)に引き取られ、女3人で暮らしています。

桐子は庭師として仕事しながら、空師(大木専門の職人)の軍二とつき合っていて、お腹に赤ちゃんを宿します。

乙葉は学校でのいのちの授業が好きで、赤ちゃんを抱かせてもらえるのを楽しみにしています。

おばあちゃんが少しずつボケてきてしまい、桐子は心配しています。

最後は出産シーンとなります。

親がいない子どもを描きながら、明るく、希望に満ちた作品として、命の大切さすばらしさ、木を通して自然の大切さが描かれています。

字も大きく、ボリュームも200ページ満たないので、小学生向けの本でしょう。

読みやすいので、ぜひ手にとってもらいたいです。

八束澄子さんの作品は、下の記事の「明日につづくリズム」もいい本で、小学生に読みやすいです。

詳しいあらすじを最後に書いています。読書感想文などを書く際に参考にしてみてください。(ネタバレになりますので、読みたくない方はご覧にならないでください。)

2018年度鎌倉女学院中学校1次入試の国語の入試問題で出題されました。

◆2018年度鎌倉女学院中学校1次入試の国語の入試問題

大問3番でリード文あり、単行本で約12ページ分出題されました。
この本の最終章「乙葉 リボーン」の最後の部分、この本のクライマックス、桐子の出産に乙葉も軍二もかけつけ、赤ちゃんが誕生するシーンが出題されました。

大問1番は漢字の読み書き、大問2番は性質の異なる言葉探し、大問4番は論説文で大問4番まででした。

この大問3番の設問形式は、適語補充が1問、語句の意味が1問、20字の記述問題が1問、5択の記号選択が5問、抜き出しが1問、穴埋め問題が1問で全部で9問でした。

『空へのぼる』あらすじ(ネタバレ)

・主な登場人物

乙葉 小学5年生。7ヶ月のとき、両親に置き去りにされ、15歳年上の姉とおばあちゃん(実際はおばあちゃんの妹)に育てられる。

桐子 25歳。15歳のとき、両親にいなくなられてしまい、農業高校を卒業後、造園業の会社で庭師として働いている。

軍二 桐子の彼氏。空師(大木専門の職人)。お土産を持っては、桐子の家に遊びに行き、乙葉にも好かれている。正岡家の屋敷で初めて桐子と知り合う。

おばあちゃん 実際は、乙葉、桐子の祖母の妹。2人が施設に入れられるところを引き取って育てる。しかし、少しボケが始まっていて、料理上手だったのに、料理の仕方を忘れてしまったりする。

谷垣さん 楓助産院の助産師。学校のいのちの授業を担当している。

・あらすじ

乙葉は、空師の軍ちゃん(軍二)の真似をして木登りをし、木から落下し、腕を骨折した。乙葉は、学校で、助産師の谷垣さんが教えてくれるいのちの授業が好きだった。腕のギプスが取れた翌日、助産師の谷垣さんと生後7ヶ月の赤ちゃんと赤ちゃんのお父さんも来て、順番に抱っこさせてもらえることになり、乙葉は感動する。

桐子は庭師をしながら、空師の軍二と出会い、軍二が木を愛している姿にひかれ、2人は付き合うようになる。軍二はたびたび、桐子の家を訪れているが、軍二との子をお腹に宿した桐子は調子が悪くなり、そのまま市民病院へ連れて行ってもらうことになる。切迫流産の可能性があるので安静にと言われて戻るが、軍二は桐子に家族になろうと涙ながら語る。しかし、桐子はボケ始めたおばあちゃんや乙葉の面倒を軍二に押しつけるようで、素直に答えることができない。

仕事も休めないため、妊娠していることを話した上で、周りに気遣ってもらいながら仕事を続ける桐子。

そして、軍二はおばあちゃんと乙葉の前で、もう一度桐子にプロポーズする。おばあちゃんは喜んで乾杯するが、乙葉は自分がお荷物だったのでは、桐子は家を出て行ってしまうのではと不安が隠せない。

桐子はそんな乙葉がいとおしくて、みんなで暮らすに決まってると乙葉に話し、安心させる。

桐子は桐子で、母親もいないため、初めてのお産への不安を抱えている。街で会った乙葉のいのちの授業の先生で助産師の谷垣さんに楓助産院のことを聞き、楓助産院を訪れる。そして、そこで出産することに決める。

最後は桐子の出産となり、乙葉も軍二も駆けつけ、乙葉がへその緒を切って、女の子が誕生する。と名付けられる。

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