『給食アンサンブル』(著者:如月かずさ)は鴎友学園女子中、香蘭女学校中、目黒日大中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容、あらすじを紹介!
■『給食アンサンブル』(著者:如月かずさ)について
この本は、
七夕ゼリー
マーボー豆腐
黒糖パン
ABCスープ
ミルメーク
卒業メニュー
の6章からなる連作短編集です。
給食にまつわる6人の中学1年生たちのお話です。
小学校は卒業したけど、大人になりきらない6人の男女の思いが描かれていて、小学生でも読みやすく、素敵なお話です。
如月かずささんは児童文学作家さんです。
詳しいあらすじを最後に書いています。読書感想文などを書く際に参考にしてみてください。(ネタバレになりますので、読みたくない方はご覧にならないでください。)
2018年度第1回香蘭女学校中等科、2019年度第1回目黒日本大学中学校、2020年第1回鴎友学園女子中の国語の入試問題で出題されました。
◆2018年度第1回香蘭女学校中等科の国語の入試問題
大問1番で「第2章 マーボー豆腐」から単行本で約10ページ分が出題されました。
”中学生になっても小学生の頃から好きだった童話を図書館で借りていた桃は、同じ童話が好きだったみっくんに「読むわけないだろ、もう」と言われてしまい、自分も大人っぽくならなければと恋愛小説を借りてみてもおもしろくない。あるとき、桃はみっくんが図書館で童話を楽しそうに見ているのを見つけ、その本を借りて読むように勧めると、みっくんに「好きな本の話をするときは昔と変わらない」と言われ、やっぱり嬉しい気持ちになる”
というところでした。
大問2番は、説明文で、大問2番まででした。
この大問1番の設問形式は、漢字が1問、4問4択の選択問題が1問、6問6択の選択問題が1問、自由記述が4問、4択の記号選択が1問で全部で8問でした。
◆2019年度第1回目黒日本大学中学校の国語の入試問題
大問3番で「第4章 ABCスープ」後半から出題されました。
この大問3番の設問形式は、抜き出しの問題が2問、語句の挿入が2問、4択の記号選択問題が3問、自由記述問題が1問、40字の記述問題が1問で全部で9問でした。
大問1番は漢字の読み書き、大問2番は説明的文章、大問4番は語句の意味、助動詞、文学史、熟語の組み立てが出題され、大問4番まででした。
◆2020年度第1回鴎友学園女子中学校の国語の入試問題
大問1番で「第5章 ミルメーク」から出題されました。
成績優秀のぼく(清野)は足立くんと飯島さんと百人一首大会で同じチームになる。飯島さんに百人一首の特訓をしてほしいと頼まれて断っていたが、もう一度塾の帰りに飯島さんから頼まれる。飯島さんからどうしても優勝したい気持ちを聞き、特訓を引き受けることにする場面です。
大問2番は説明文、大問3番が漢字で大問3番まででした。
この大問1番の設問形式は、問4まで全て自由記述問題です。(問1が1行、問2が2行、問3と4が3行分の設問です。)
■『給食アンサンブル』あらすじ(ネタバレ)
●七夕ゼリー
美貴はお嬢様学校の初等科卒業で、本格的なレストラン並みのメニューの給食を食べて育ちましたが、父親の会社が倒産し、母の実家に引っ越して公立の中学校に通うことになります。公立中学校の給食はおいしく感じられず、梢という世話好きな女の子とその友達とも友達になることができたのに、以前の生活が忘れられません。そんな美貴と梢はケンカしてしまいます。仲直りの七夕ゼリーとは、どんなゼリーだったでしょう?
●マーボー豆腐
高梨桃は家族で本格的な中華料理店に食事に行き、そこの激辛マーボー豆腐がからすぎて食べられず、姉にバカにされます。桃は中学生になっても、挿絵のかわいい童話が好きで、自分が大人っぽくなれないことにコンプレックスを感じているのです。図書館で会ったみっくん(道橋滿くん)も小学校のときに同じ童話を読んでいたのに、中学生になって背も高くなり、そんな童話なんてもう読まないと言われます。そのことにショックを受けて、桃は大人っぽくなろうと恋愛小説を読んでみたりするのですが...かえって不機嫌になってしまうのです。友だちの美貴には、いつもの桃の方がいいよと言われて、少しほっとするのですが...。みっくんも激辛マーボー豆腐が好きなのでしょうか?
●黒糖パン
道橋滿は、小学5年生のときに友だちの足立雅人の家に遊びに行き、お姉さんの詩織さんから本を紹介され、その本を読むようになり、しだいに詩織さんと本の話をするのが楽しみになります。滿が中学1年になり、詩織さんは高校1年になると、詩織さんは不登校で高校を休んでいることがわかります。滿の思いをわかっている雅人は姉のことを滿に頼みますが、滿は詩織さんにどうしてあげればいいのかわかりません。黒糖パンは滿は好きでも嫌いでもありませんが、詩織さんが黒糖パンを好きなことを知って、給食の黒糖パンを持ち帰ります。黒糖パンは滿の思いを伝えられるでしょうか?
●ABCスープ
運動神経も抜群、クラスでも人気者の足立雅人には悩みがありました。バスケ部に入ってそれなりではあったけれど、すごく上手なわけではなく、勉強は下から数えた方がはやい成績。バスケ部の練習に打ち込む気にもなれず、そんな矢先に左手首骨折。このままではいけないと思いながらも、何もできない雅人に、英会話のアメリカ人の先生ラミレスが、「ユーキャンチェンジユアセルフ」と、ハートが変われば変われるんだと言います。そして、給食のABCスープに奇跡が...雅人は変われるのでしょうか?
●ミルメーク
清野は成績優秀で、暗記が得意で百人一首の鬼とまで言われています。だけど、清野は、みんなから集めたミルメークで濃縮コーヒー牛乳を作っている足立雅人を見て、自分には絶対味わえない味だと思います。そんなにミルメークを集められるほどクラスで人気があってうらやましいと思うのです。百人一首大会で、清野といっしょのチームになった足立雅人と飯島梢。どちらも清野とは正反対のタイプで、クラスで人気があり、清野は苦手だなと思っていますが、飯島梢は百人一首大会でどうしても優勝したいから特訓につきあってほしいと清野に頼みます。さて、この3人のチームは優勝できるのでしょうか?
●卒業メニュー
飯島梢は、父の転勤で遠いところに引っ越すことになり、転校しなければならなくなります。ですが、せっかく仲良くなった美貴や他の友だちにも、悲しまれてジメジメ過ごすのがいやで、転校のことを言えずにいます。結局、転校のことが知られてしまい、そして、給食の卒業メニューには、クレープが出ます。そのクレープを、普段給食をねだったりすることのない美貴がほしいと言います。そのお返しはどうするのでしょうか?