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『ロードムービー』(著者:辻村深月)は日本大学第二中、公文国際学園中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容を紹介します!

■『ロードムービー』(著者:辻村深月)について

この本は、

  • 街頭 

  • ロードムービー

  • 道の先  

  • トーキョー語り

  • 雪の降る道

の5編からなる短編集です。
辻村深月さんの『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフ作品だそうです。こちらの作品を読んでからの方が楽しめるらしいのですが、知らずに読んでしまいました。知らなくても、十分に味わえます。

最初の「街頭」は文庫で3.5ページ分だけです。表題になっていて受験でも出題された「ロードムービー」は約134ページありますので、短編とはいえ、ボリューム感がありますが、一番おすすめしたい作品です。

ロードムービー」の登場人物たちは小学5年生ですが、場面が交互に変わる構成なので、小学生にはちょっと難しめでしょう。
また、他の作品も中学生、高校生以上大人向けの作品です。

2013年度公文国際学園中等部B方式2015年度第1回日本大学第二中学校の国語の入試問題で出題されました。

◆2015年度第1回日本大学第二中学校の国語の入試問題

大問2番で、この「ロードムービー」の最後のクライマックスの部分(第13章)、この小説読んできた人たちがここでとても感動する場面なのですが、見事にその部分が出題されてしまいました。この部分だけでも、受験中に世界に入りこんでしまって問題を解くのを忘れてしまうのではないかと思うくらい、長文でしっかり出題されました。

大問1番は漢字の読み書き対義語語句副詞の呼応部首敬語熟語パズル擬態語などの知識問題のみで、大問2番までなので、文章題はこの「ロードムービー」からだけでした。

大問2番の設問形式は、語句の意味が1問、適語補充が1問、四字熟語が1問、慣用句が1問、五択の記号選択問題が15問、抜き出しが1問、自由記述問題が4問で全部で24問の出題でした。

◆2013年度公文国際学園中等部B方式の国語の入試問題

大問1番で、最初数行を除いた第8章から出題されました。2学期になって学級委員の改選となり、トシはいつも通り立候補するが、アカリに支配されているクラスのメンバーはみんなアカリに投票し、トシは初めて学級委員の座を逃す場面です。

大問2番は説明文、大問3番は漢字の書き取り、熟語パズル、修飾・被修飾の関係、敬語で、大問3番まででした。

この大問1番の設問形式は、語句の意味が1問、修辞技法の問題が1問、適語補充が1問、抜き出しが1問、5択の記号選択が2問、60字の記述が1問、50字の記述問題が1問、20字の記述問題が3つで1問で全部で9問でした。

■『ロードムービー』簡単なあらすじ

●「ロードムービー」

小学校6年生に上がる前の3月、トシとワタルが家出をする場面から始まります。その次にすぐ、トシとワタルが友達になった5年生の4月に戻ります。そして、また家出の場面と、後半に至るまで交互に続きます。だんだんどうして家出に至ったかがわかるのですが、それと同時に、トシとワタルがクラスでどうなっていくかということも描かれています。イジメ、スクールカーストというテーマを扱いながら、トシとワタルの友情が厚いです。最後のワタルの演説がかっこいいです。あまり本筋とは関係ありませんが、最後の最後に、ちょっとした叙述トリックがあります。

●「道の先」

大学生で塾の講師をしている俺は、中学3年生の大宮千晶という生徒に好かれてしまいます。彼女は、塾講師を好き嫌いで判別し、嫌いな先生は退職に追いやるということを続けていました。ですが、一転して好きな先生ができると一途で、ファミレスに無理やりお茶に誘ったり、としまえんに誘ったりします。そんな彼女の心の不安を大学生の先生が必死で受け止めようとします。

●「トーキョー語り」

さくらは地方の高校2年生で、メンバーも小さい頃からほとんど同じ中に、転校生(薫子さん)がやってきます。薫子さんは、転々と移り住んでいて、以前に東京にいたことがあると話します。ですが、その話は嘘で、東京の話をするとみんな喜んで聞いてくれるからと。嘘がバレて、家庭の事情も噂になってしまい、みんなから距離をおかれてしまうのですが、さくらはそれは薫子さんのせいではないと....

●「雪の降る道」

小学2年生のみーちゃんは、同じクラスでずっと病気で学校を休んでいるヒロくんのところに、学校のおたよりやおみやげを持って、お見舞いにいきます。ヒロくんは、雪が降っても外で遊ぶこともできず、近所のお兄ちゃん(スガ兄)と遊ぶこともできず、お見舞いに来てくれているみーちゃんにあたってしまいます。すると、みーちゃんがいなくなってしまいます。みーちゃんはどこに?

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