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1952年のマティスを取材したジャーナリスト・阿部徹雄氏

東京都美術館で開催されている「マティス展」では、マティスが晩年に手がけた「ロザリオ礼拝堂」内部の4K映像が上映されています。「ロザリオ礼拝堂」完成の翌年にアトリエを訪れ、マティスを取材した日本人ジャーナリストがいたことをご存じですか?

2004年の「マティス展」

2004年に国立西洋美術館で「マティス展」が開催された際に発売された、「芸術新潮 2004年11月号」(特集 マティスの冒険)を見返していたら、当時行った「マティス展」のチケットが挟まっていました。

細かいことは忘れてしまったのですが、その「マティス展」がきっかけで、私は「ロザリオ礼拝堂」に行ってみたいと思うようになりました。「ロザリオ礼拝堂」があるヴァンスへは、ニースからバスで行くルートが一般的のようです。「マティス展」関連のツアーなどもありましたが、私はツアー旅行が好きではないので、すぐに行くことはできませんでした。

それから数年後、南仏でホームステイをする機会を得たので、追加料金を払ってホストマザーに車でヴァンスへ連れて行ってもらいました。

この中に、「ロザリオ礼拝堂」が写っています。

写真中央:ロザリオ礼拝堂


ロザリオ礼拝堂 外観

日帰りで、ステイ先から車で片道3時間ぐらいかかったので、あまりゆっくりはできなかったのですが、とにかく美しかったです! 

内部は撮影禁止なので写真はありませんが、立ち去りがたく、何時間でもいたいと思いました。マティスが願ったように、心が洗われるような空間になっています。

今回の「マティス展」をきっかけに、「ロザリオ礼拝堂」へ行きたいと思った人も多いでしょう。光の入り方で雰囲気も変わるので、1日中いてみたいですが、マティスお勧めの時間帯は冬の午前11時とのことです。

1952年のマティス

その後、「ロザリオ礼拝堂」完成後のマティスについて知りたいと思い、阿部徹雄氏が1952年9月にマティスを取材した写真や取材ノートを収めた「1952年のマティス、ヴラマンクそしてフジタ = Matisse, Vlaminck and Foujita in 1952」(阿部徹雄 著, 阿部力 編 2014.3)を入手しました。

貴重なマティスの姿が残されており、国会図書館で見ることができますが、2019.1版はAmazonで販売されているようです。

カメラマンであり、ジャーナリストである阿部徹雄氏がアトリエを訪れたとき、マティスは「Large Decoration with Masks」を制作中でした。

未完成のものであっても、マティスは「撮影してはダメ」などの注文は何もつけなかったそうです。ベッドの上で仕事をするマティスの膝のあたりに猫が眠っている写真など、貴重な写真も収められています。

阿部徹雄氏は、他の著作でもたくさんの芸術家を取材していて、気難しいと言われているような方の心も開かせるお人柄だったと想像しています。今の時代に、このような取材をさせてくれる芸術家、そしてこのような取材ができるジャーナリストもなかなかいないのではないでしょうか。

2023年の「マティス展」

Twitterを見ると平日でも混んでいるようで、最近は人が多いところに行くと具合が悪くなるのでどうしようかと迷いましたが、東京都美術館へ行ってきました。

平日でしたがけっこう混んでいて、やはり途中で具合が悪くなってしまい、あまりゆっくり鑑賞できなかったのですが、最後の映像はしっかりと見てきました。

ステンドグラスについて「コンブだかワカメだか」と話している方たちがいましたが、プロヴァンス特有の黄色い花をつけるサボテンがモチーフとのことです。
追記:これは「珊瑚」のことだったのかも?

2024年に国立新美術館で開催される展覧会「マティス 自由なフォルム」では、「ロザリオ礼拝堂」を体感できる空間が再現されるそうです! でもきっと、こちらも混雑するのでしょう・・・。

東京都美術館で開催中の「マティス展」は、グッズの種類も多く、皆さん散財しているようです。

私はゆっくり見る余裕がなかったのですが、休憩して落ち着いてから企画展に行かなくても買えるミュージアムショップの横にマティスガチャを発見! 8種類の小さい缶バッジで、1回200円です。

私の好きな「ポリネシア」柄があったのでチャレンジしたのですが、3回やっても出ませんでした。
注:今回の「マティス展」で「ポリネシア」の展示はありません。

3回目で美術雑誌「ヴェルヴ」の表紙が出たので、ここで止めておきました。

美術雑誌「ヴェルヴ」

撮影可のフロアがあり、そこに展示されていました。

下記の記事は、グッズもかなり多めに紹介しています。

6月17日(土)、「新美の巨人たち」で「ロザリオ礼拝堂」が特集されるようです!