【今日コレ受けvol.109】クリエイティブは「変態」から生まれる
7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」を読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。
「サナギの中身は液状になっているんやで」
友人が昆虫館のスタッフとして働いていたときに、そう聞いて驚いた。
幼虫はサナギになると自ら酵素を出して細胞組織を溶かす。そして、タンパク質豊富なその液体から、羽や足などの器官を再構築するそうだ。
この過程は「完全変態」と呼ばれている。
先日、編集者の今野良介さんと、作家であり書店員の三砂慶明さんの「書きたいが書けるに変わる創作講座」トークイベントに参加させていただいた。
今野さんは、以前通っていた上阪徹先生のブックライター塾でゲストに来られたことがある。そのときの、「出版される本がすべて重版される」編集のお話が圧倒的だった。
その後、こちらのインタビューも読んで、もう一度お話を聞いてみたかったからだ。
「SNSという川に流れるなかでキラリと光る面白い著者をみつける」
「直感的な好き、からその人に会いにいき、著者の核(独自性、本質)をみつける」
「自分の潜在的な力を引き上げてくれる、と思える企画が強い」
「編集者の最大の仕事は待つこと、書けないときは悩みを著者と共にアウトプット」
三砂さんの息つく暇も与えない質問で、今野さんの編集術のコアとも言える発言が次々飛び出して、メモを取る手が止まらなかったのだけれど。
一番印象に残ったのが最後の質問、
「編集という仕事を続けられるモチベーションはなんですか」の答えだった。
「関係ないと思われている2つのものに関係性(共通点)を見出して組み合わせられるのが面白い。そこに全く新しいもの(クリエイティブ)が生まれる」
とおっしゃっていて、サナギの話を思い出したのだ。
2つのものから新しいものが生まれるとき、そこでは何が起こっているのだろうか。
まずは、それぞれを奥底まで、本質まで掘り下げる。徹底的な具体化であり抽象化? すると、どこかでつながっているポイントに気づく。
そのつながりを核に、融合する。
サナギのように一端液状レベルまで。
そして、液体から全く新しい「第3のもの」を取り出す。核は保ちながら。読者や社会背景、相場感という視点を持ちながら。
多くの人が「自分の潜在能力が引き上げてもらえる」と感じられるなにかを。
そして、見たこともないような蝶が生まれる。
そんな過程ではないか。
きっとまだまだ解像度が浅いけれど、一端アウトプットを。書きながら、構成しながら、引き続き考えていきたい。
昨日の『今日もコレカラ』に登場した、師匠さとゆみさんの関わった2冊の新刊。
大川陽介さんの書籍『WILL キャリアの羅針盤の見つけ方』を昨夜書店でみつけて持ち帰り、『本を出したい』のAmazonからの到着を待っている。
2つの書籍の核となっているのは、さとゆみさんの「自分が本当にやりたい(書きたい)ことはなんだろう?」という視点だろうか。
問いを持って読み進めたい。
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