レンタカー経営はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】
どもー。
分析太郎です。
色んな仕事の将来性を
分析しています。
今回はレンタカー経営の
市場分析レポートです。
仕事の将来性を把握する上で、
市場分析は必要不可欠です。
起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと、
キャリア選択で痛い目を見ます。
なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。
それでは、見ていきましょう。
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【前編】レンタカー業界の将来性
そもそも市場規模とは?
まずは、レンタカー業界の
市場規模から確認していきましょう。
その前に、市場規模について説明します。
市場規模とは、
その市場で取引されるお金の量を
表します。
取引される金額が大きいほど、
市場規模は大きくなります。
そして市場の中に、
需要(お客さん)と供給(事業者)が
存在します。
これらを釣りで例えるなら、
市場規模=釣り堀の大きさ
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。
そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。
本レポートでは、
レンタカー市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関と業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。
それでは、本題に話を移しましょう。
レンタカー業界の供給の推移
それでは、レンタカー市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。
ここでの供給は、
・レンタカー事業者数
・レンタカー登録車数
の2点について見ていきます。
まずはレンタカー事業者数について
確認しましょう。
グラフを作成しました。
レンタカー事業者の数は、
2020年までは増加傾向でした。
ですが、2021年は前年比15%マイナスの
10,576事業所でした。
コロナによる外出規制の影響を
もろに受けた結果でしょう。
では、レンタカー登録車数の推移は
どうなっているでしょうか。
確認してみましょう。
グラフを作成しました。
レンタカー登録台数は、
コロナ禍を経た後も増加傾向が続き、
2023年は大台の100万台を突破しました。
すごい勢いで増えてますね…。
一応、車種別で比率も
確認してみました。
表を作成しました。
乗用車の割合が
増えているようですね。
では、なぜレンタカーの登録台数は
ここまで増えているのでしょうか。
その理由はこの後詳しく解説します。
さて、ここまでの供給データを
簡単にまとめるとこうです。
レンタカー事業者数についてはコロナの影響もあり2021年は前年比マイナス15%だったものの、レンタカー登録車数はコロナを経てもなお増加傾向にあり、2023年は大台の100万台を突破した。
つまり、
レンタカー市場における供給力は、
少なくとも自動車の数としては
拡大していると考えてよさそうです。
従って現時点では、
先ほどの四分類では
このどちらかに分類されるのでは
ないでしょうか。
では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。
レンタカー市場の供給の推移
それでは、
レンタカー市場の
需要がどう推移しているか
確認していきましょう。
まずは、
そもそもレンタカー屋(自動車賃貸業)
というビジネスの市場規模が
拡大しているかどうか確認しましょう。
グラフを作成しました。
おー!
堅調に推移していますね。
2021~2021(9年間)で
1.4兆円(93.4%)も増加しています。
この経産省のデータ、
調子悪い業種は本当に
右肩下がりに下がるんですよね…。
現実を突きつけてきます。
例えば書道教室業の
市場規模推移はこんな感じです。
従って、
レンタカー業の市場は
賑わっていると考えて良さそうです。
ただこの経済センサスのデータには
「自動車リース業」の売上高も
含まれています。
そこで、
リースとレンタルが分けられている
もう一つの指標を確認してみましょう。
経済産業省が毎月公表している
第3次産業活動指数です。
第3次産業活動指数とは、
日本の第3次産業の活動を指数化し、
産業全体としての動向がどのように
なっているかを把握するための経済指標です。
レンタカーに関連するものは
・自動車レンタル業
・自動車レンタル業(法人向け)
・自動車レンタル業(個人向け)
の3つでした(自動車リース業は別にあります)。
2015年を基準年として指数100とした場合の、
指数の推移をグラフにしました。
おー。
コロナで全体的に急減していますが、
それ以降しっかり持ち直していますね。
特に個人向けレンタカーは、
コロナで一番打撃を喰らったものの、
現在は一番伸びがいいようです。
コロナ前の水準を超えてもいますね。
非常にいい調子です。
さらに具体的に見てみましょう。
レンタカーを利用する目的の
最たるものは、多くの場合
国内旅行でしょう(距離問わず)。
そこで、観光庁のデータを
漁っていたところ、
旅行・観光消費動向調査という
統計データを見つけました。
このデータの中に、
レンタカーの利用者数や
利用金額が事細かに載っていましたので、
そちらをグラフにしてみましょう。
まずは、
レンタカー利用人数の推移です。
グラフを作成しました。
コロナで利用者減りましたが、
堅調に持ち直していますね。
それでは同様に、
年間利用金額の合計の推移についても
確認してみましょう。
グラフを作成しました。
んー。回復してますね。
念の為、
もう一つデータを確認してみましょう。
総務省の家計調査から、
世帯あたり年平均レンタカー利用価格の
推移を出してみましょう。
グラフを作成しました。
うん、やっぱり伸びてますね。
・経済センサス(総務省・経産省)
・第3次産業活動指数(経産省)
・旅行・観光消費動向調査(観光庁)
・家計調査(総務省)
このいずれのデータも、
コロナでガタンと落ちて、
そこから急激に回復傾向という点で
共通していました。
いい調子みたいですね、
レンタカー市場。
個人的には、
レンタカー市場は今後さらに
伸びるんじゃないかと考えています。
その大きな理由は、
インバウンド(外国人観光客)の増加です。
インバウンド需要が鍵になる?
当たり前の話ですが、
自動車を運転できるのは
日本人だけではありません。
外国人だって運転できます。
そしてコロナ禍を経て、
日本には再び外国人観光客が
押し寄せてきています。
インバウンド数の推移を
グラフにしました。
2012年は835万人だったのが、
2019年には3,188万人の
外国人が来ています。
7年間で3.8倍です。
コロナでその数は激減したものの、
2024年現在、インバウンドは再び
日本に押し寄せてきています。
2021年は年間で25万人でしたが、
2023年は合計で2,507万人来ています。
そんな彼らがレンタカーを借りて、
自動車を運転することが
考えられます。
その外国人需要を見越してか、
レンタカー大手のタイムズは
HPを多言語設定にしています。
その他にも、
ニッポンレンタカー、
トヨタレンタリース、
日産レンタカーなどが
多言語化されていました。
では、実際にレンタカー探しで
検索されているのか確認しましょう。
現在の国際標準語である英語で、
外国の方が日本でレンタカーを
借りるときに使うと想定される
「car rental」というキーワードで
推移を確認します。
結果はこうでした。
コロナ禍を経て、
「car rental」というワードの
人気度は再び上昇傾向にありました。
どうやら検索されているようですね。
また念の為、
英語でレンタカーを意味する
「rent a car」というワードでも
人気度を確認してみましょう。
グラフを作成しました。
うん、やっぱり似たような
形で推移していますね。
検索する人が
増えているということは、
インバウンド需要は
レンタカー市場の底上げに
寄与する可能性が非常に高いです。
今後もコロナのような危機が
起きないことを祈るばかりです…。
さて、需要のデータを
簡単にまとめると、こうです。
経済センサスによれば、市場規模は2012~2021年で93.4%拡大している。第三次産業活動指数によれば、コロナ禍を経て特に個人向けレンタカーの伸びが大きいことがわかる。旅行・観光消費動向調査では、コロナ禍を経てレンタカー利用者数・利用金額ともに増加傾向にあり、また家計調査でも、世帯あたり年平均レンタカー利用価格は上昇傾向にある。インバウンド需要が増加すれば再び活気づく可能性がある。
データが出揃いましたね。
それでは、結論に入ろうと思います。
分析太郎の結論
まとめると、
レンタカー市場の
需給バランスはこうです。
【供給】
レンタカー事業者数についてはコロナの影響もあり2021年は前年比マイナス15%だったものの、レンタカー登録車数はコロナを経てもなお増加傾向にあり、2023年は大台の100万台を突破した。
【需要】
経済センサスによれば、市場規模は2012~2021年で93.4%拡大している。第三次産業活動指数によれば、コロナ禍を経て特に個人向けレンタカーの伸びが大きいことがわかる。旅行・観光消費動向調査では、コロナ禍を経てレンタカー利用者数・利用金額ともに増加傾向にあり、また家計調査でも、世帯あたり年平均レンタカー利用価格は上昇傾向にある。インバウンド需要が増加すれば再び活気づく可能性がある。
結論を出しますね。
需給バランス四分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。
釣り堀(=レンタカー市場)の中で、
釣り人(=事業者数・登録車数)が増える一方、
魚(=利用人数・料金)が
増加傾向にあることから、
このような結果になりました。
いかがでしたでしょうか。
今回は、レンタカー屋の市場分析を行いました。
結果、需要はあるという結論が出ましたが、
ただ、これは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。
日本は他国と比較しても、
地域による文化や特色が
色濃く異なる国です。
従って、
日本全体だけでなく、
さらにお住まいの地域についても
詳しく分析する必要があります。
そこで後編からは、
レンタカー市場のレッドオーシャン・
ブルーオーシャンな都道府県を
特定していきます。
※日本人需要を想定
ここまで読んでくださった皆様が、
キャリア選択で後戻りできない、
取り返しのつかない状況にならないことを、
心から願っています。
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