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フィンチャー・イズ・バック!(最高の状態で)『ザ・キラー』【映画レビュー 】若干ネタバレあり
★★★★★
鑑賞日:10月27日
劇 場:イオンシネマワンダー
監 督:デヴィッド・フィンチャー
主 演:マイケル・ファスベンダー
最初の感想は意外とスモールな映画だったなと。
スモールと言うか、こういったジャンル映画。
ノワール映画と呼んでいいのであろうか。
前作『マンク』を劇場公開を見逃し(アホだ・・・)ネットフリックス視聴となってしまったため、映画館でデヴィッド・フィンチャーの作品を見るのは、2014年の『ゴーン・ガール』以来である。
今回は見逃すまいと、公開初日にいきり立って劇場に足を運んだ。
そして、もう・・・完全に打ちのめされてしまった。
この週末はこの映画、『ザ・キラー』のことばかりが頭を支配していた。
当然、朝食は朝マックである。
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ストーリーはシンプルだ。
"案件をしくじったら仲介業者やクライアントが同業者を寄こせて、ちょっかいを掛けてきやがったから、コテンパンにしてやろう"
一直線で一筆書きのような展開。
ストーリーテリングはそれほど重要ではない。
画面が映るものだけが雄弁に語る。
色々な人が書いているとおり本作はお仕事映画でもある。
マイケル・ファスベンダー演じる、ザ・キラー、殺し屋が何度も何度も自分の仕事の流儀を呟く。
『計画どおりにやれ。
即興はするな。
共感してはいけない。
誰も信じるな』
仕事の仕方は現代的である。
スマートウォッチで脈拍を計測し、ウィーワークで部屋を借り、シェアリングスクーター・レンタカーを使用、アマゾンで注文(あんなものが売っているのか?)し宅配ボックスで受け取り。
証拠は丁寧に隠滅、要らなくなったものはポイポイすてる。
街中のゴミ箱に、ゴミ収集車に、川に。
1度使ったスマホはとにかく破壊、踏んで踏んで壊す。
そして、ザ・スミスを愛聴。
イヤホンから朗々とモリッシーの歌声が響き渡る。
こんなにスミスの歌ばかり流れる映画があるのか。
(ポーティスヘッドもかかるよ)
以上、暇があれば『マインドハンター』を見返すような人間にとっては、堪らない1本だった。
あと、何回映画館に通おうか。
本作は、『マンク』同様にネットフリックス映画である。
劇場での公開はとても限定的だ(特に私のような地方在住者にとっては)。
強く強く映画館での鑑賞をおススメしたい。
暗いシーンも多いし、お馴染みトレント・レズナーとアッティカス・ロスによる劇伴も大きい音で聴きたい。
間違いなく今年最高の1作。
(text by President TRM)