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特別企画①:心に残る最強悪役 BEST3『パルプ・フィクション』『ファーゴ』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

私は、マッチョな人は男子も女子も苦手です。格闘技は好きですが、暴力自体は嫌いで、評論家が絶賛するヤクザ映画でも観たいと思ったことはありません。ここで紹介する悪役は、最強悪役と言うよりは、面白くて憎めない悪い奴です。


『パルプ・フィクション』(1994年アメリカ映画)

監督:クエンティン・タランティーノ
悪役:ヴィンセントとジュールスの二人組

ヴィンセント・ベガ & ジュールス・ウィンフィールド

1994年のタランティーノ監督の名作です。

ヴィンセント(ジョン・トラボルタ)はニヒルな悪役ですが、なんとなくとぼけた雰囲気があります。ジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)は饒舌でイカレ方が最高です。

その二人がコンビを組むと何とも言えない面白みが出てきます。冒頭のギャングのボスの顔に泥を塗り裏切った青年グループらの部屋を訪ねるシーンが、忘れられません。

「ハッピーかよ?」  
「なんのハンバーガーだ?」・・・・セリフが面白い。
「スプライトを飲んでもいいか?」ではなく「いま食ったこいつを胃のなかに流し込んでも構わないか?」っていう回りくどい言い回しが最高です。

ハンバーガーを食べたくなるとこのシーンを思い出します。飲み物のオーダーは当然スプライトです。


『ファーゴ』(1996年アメリカ映画)

監督:ジョエル・コーエン (コーエン兄弟)
悪役:カールとゲアの二人組

ゲア・グリムスラッド & カール・ショウォルター

1996年のコーエン兄弟のクライムサスペンスです。
舞台はミネソタ州ミネアポリス。

雪国の色の無い閉鎖感が良い雰囲気です。淡々と殺人が起きて、大きな山場もなく進んでいきます。爆笑する面白さではないけど、奇妙な可笑しさが随所にあって独特なおもしろさがあります。

まともなのは、主人公のおなか大きなお巡りさんのマージのみで、登場人物すべてが、どこかおかしくマヌケなのです。

特に絶対にソリの合わないコンビ、ヘンな顔のおしゃべりな男カール(スティーヴ・ブシェミ)とキレると凶暴な男ゲア(ピーター・ストーメア)のデコボコ感とマヌケさが何とも言えない面白味があります。

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年アメリカ映画)

監督:スティーヴン・スピルバーグ
悪役:フランク・W・アバグネイル・Jr

フランク  (レオナルド・ディカプリオ)

監督スティーブン・スピルバーグがレオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスの共演で描いた2002年の作品です。

フランク(ディカプリオ)が、次から次へと色々な職業に成り済まして世界各地で小切手偽造事件を起します。

捕まりそうになっても機転をきかせて、すり抜けていきます。FBI捜査官(トム・ハンクス)と掛け合いが絶妙です。
フランクの裏の哀しさみたいのが後半滲み出てきます。

(text by NARDAM)

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