伝統を残す
山形県長井市史伊佐沢地区に伝わる念佛踊り、元々は桜の花が順調に咲き続けるようにと「花しずめの祭」を行い、豊作を祝う為に行われていました。
それが、明治に入って、たまたま訪れた京都歌舞伎の役者から型や踊りを習い、念仏踊りが洗練されたと言われています。
今作は、若者が担い、歌舞伎の要素を取り入れた舞をする「枕うち」を題材としています。端正な顔つきの若者が、小豆入りの小箱でリズムを刻む姿が描かれています。
その舞もそうだが、前掛け、角帯、黒足袋、横はち巻、黒緒草履、綿なしどてらといった格好には、歌舞伎の要素が見られます。
この踊りの特異性に気付いた氏は、この伝統文化のアーカイブ化をめざし、流れるような動きの一幕をてがけました。