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#11 オーバードーズが癖になる【薬と仲良くなる②】
お薬の記事を書いたので、その続きから。
Haruのお薬奮闘記はなかなか壮絶なものとなりました。
そこにあるのは、長く私の頭の中を支配してやまない「希死念慮」。消えたい願望です。
「治療で処方されるお薬を飲んでいない」ということはお医者さんにも話していました。なので途中から「手もとにあるよね」という形で処方が止まってりもするのですが、「安定して治療を受けることを自分がきちんと望んでいない」とどうなるか。
私はオーバードーズに走りました。俗にいうODですね。
私の場合は一人暮らしだったので、服薬管理や薬剤管理は自分ですることになります。誰かの前で飲むことを見せる必要もないし、「じゃあ、はい、これ飲んで」みたいなこともありません。
そうなっていくとどうなるか。
何かの拍子・・・それは例えばつらいことがあったとか、消えたい願望が強くなったときとか、明日のことは考えたくないときとか、そんな時に「薬を飲んで逃げる」という方向にいきつきました。
今時の精神科の薬はたくさん飲んでも死ねません。
というのはわかっているのに飲みたくなる。「今、この瞬間」がどうでもよくなる。次の日、あたまがグワングワンして苦しいだけでなんっにもいいことなんてないのはわかっているのに飲みたくなる。
そうして私の中でODが癖になっていきます。が、飲む量なんてかわいいものなんですよ。処方量は超えていますが。
そして不思議なことに、胃薬や風邪薬などの「精神科」系のお薬以外ではそんな気持ちまったく起きないんですよね。それってもしかしたら、昔のテレビドラマなんかにあった「この薬飲んで死んでやる!」系のものが刷り込まれてるんでしょうかね。
このODが癖になるHaruですが、この癖との闘いは最初1年目がひどく大変でした。2年目にも少し出てきたけれど、薬がきちんとのめるようになって、回復期に乗れるようになってからは少しずつ落ち着きました。
最初は患者さんも見守るご家族もすごくすごく大変だと思います。制御がきかない自分の体と脳と眠れない生活は双方発狂したいぐらいの事態だと思います。でも、きちんと休んで、きちんとお薬が飲めるようになって、薬が効いてきたらすこーしずつ、それは階段を一歩登るぐらいゆっくりかもしれないですが、ちょっとずつ楽になっていくと思います。急性期の壁を一緒に乗り越えてくれる人がいるのはすごく安心することが出来て、心が束の間安らぐことが出来ると思います。どうか、適度な距離を保ちながら、子供の成長を見守るように、見守ってあげてもらえたらうれしいなぁと思います。
一人ぐらいで向き合う方、辛いですよね。私も一人暮らしなので辛かったです。でも、とりあえず4年向き合ってきた私がいるので一人じゃないですよ。ひとりぼっちと思わないでくださいね。SNSの中にもたくさんの優しい世界がありますよ。