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中国茶のある暮らし――10月のお茶「茉莉花茶」
長い歴史に磨かれた豊かな中国茶の世界。
四季折々の甘味や食に合わせるお茶を、中国政府公認高級評茶員・茶藝師の澄川鈴が提案します。
心に余裕がなくなりがちな日々だからこそ、めぐる季節を愛で、自分を癒すひとときを。
そして、お茶を通して見える中国の人々の素顔と暮らしにも、ほんの少し触れていただけたらと思います。
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10月の点心「豚饅頭」
中国語では、逆上せることを「上火」と言い、熱を取ることを「去火」と言います。
中国の考え方では、食物には主に「温・熱・寒・涼」の4つの〝食性〟があるとされ、人々はそれらを組み合わせて体調を整えるのです。
北京の人々は、その多くが日常的にお茶のボトルを携帯しています。茉莉花茶や菊花茶の茶葉をボトルに直接入れ、湯を注ぎ、継ぎ足しながら飲むのです。北京に行けば、タクシーの運転手さんがそうやってお茶を飲んでいる光景を見られるはずです。
私が北京で暮らしていた時、朝食によく小籠包を食べました。お店ではテイクアウトもでき、小さなビニール袋にそのまま入れて持たせてくれます。
神戸の南京町にある「老祥記」は1915年創業の老舗の豚饅頭屋。味もサイズも北京で食べた小籠包を彷彿とさせます。
今回はそんな北京の朝食を思い出しながら、秋晴れの気持ちの良い日に茉莉花茶を入れたボトル持って、南京町にお出かけしました。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62357033/picture_pc_c25a9469f65e57c8bb89a7516741cd06.jpg?width=1200)
豚饅頭の豚肉と小麦粉の食性は身体を冷やす〝寒性〟なので、お茶は身体を温めてくれる〝温性〟の茉莉花茶でバランスを取ります。茉莉花茶は、緑茶の茶葉に茉莉花を繰り返し被せて香りをつけることでつくられます。緑茶自体は涼性ですが、茉莉花が温性とされているのです。
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