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書店パトロール56 私が一番好きなのはアセルス

暑い日は書店でパトロールに限る。
京都の夏は暑い、と言われているが、まぁ、暑い。なので、書店のように、キンキンに冷えた(まぁそんなことはないんだけど)、屋内環境で本を物色できるのは最高だ。

私は、映画コーナー、文学コーナー、建築コーナー、サブカルコーナー、旅行コーナーをぐるぐる周っている。
で、今日は映画コーナーから。

日本人は坂本龍馬が大好きだ。私はそんなに好きではない。だが、小山ゆうの漫画の『おーい!竜馬』は大好きだ。

あの漫画は昔、NHKでアニメが放送されていたが、トラウマがある。
漫画なども今読んでも酷い。この理不尽な階級制度、この理不尽な東京砂漠、そのような感じである。なんたって、大名行列を横断した少年たちが惨殺されるわけで、それを一切の忖度なく、思いっきり殺すシーンを描く。
信じられない残酷さだ。然し、だからこその怒りが共有されるのだ。私はスプラッター映画などは好きだが、あれはある種の血飛沫の芸術であり、芸、みたいなものである。クレバーな意思を作り手に感じる。

だが、竜馬において、斬り殺される子供のシーンは、そこに、階級制、社会性が存在し、人間という存在の度し難さを描いていて、非常に読んでいて辛いのである(ただ、あれは相当な誇張であり、そんなことはない、らしいのだ!)

まぁ、私は、竜馬は、原田芳雄の、『竜馬暗殺』、と、いう、映画が好きであり、この原田芳雄の『竜馬暗殺』は盟友の黒木和雄とのコンビ(『祭りの準備』!『浪人街』!『掏摸』!)、共演は桃井かおり、松田優作、そして石橋蓮司、という豪華すぎる布陣のATG映画だが、いやぁ、いい青春映画でね、最高だよ。この1本でね、竜馬は十分だよ。と、思っていたら、最近、竜馬の新しい漫画版が連載されており(週刊文春にて)、これはもう、コウノトリ先生ではないのか?

まぁ、とにかく、そんな感じでの、その横の新刊の映画本を手に取る。手に取る、が、値段が5,940円!う、うわぁ。たかいよー。

でも、この装幀、めちゃくちゃいいじゃないか。また、厚みも流石6,000円弱!と言えるほど。私は映画評論本は好きだが、然し、まぁ、これは積読になりそうな予感がするため、私は購入を見送った。
目次を見る。まず、ヌーヴェル・ヴァーグ、これでうわー、と思い、その次に青山真治と濱口竜介の狭間で、という項目をみて、う、うわー!となり、本を置いた。これは素潜り旬さんが好きそうな本だ(Xでよく言及されているので)。

さて、私はその本を置き、次に美術コーナーで、太陽の『新版 武井武雄の本』を手に取る。

今、丁度、東京の目黒区美術館で武井武雄の展覧会をしているので、その絡みだろう。このムックには、武井武雄の本の装幀が50冊くらい、ずらっと並んだページがあるが、うーん、眼福。こういう、書影の資料っていうのは大事だよなぁ、と思いつつつ、東京の目黒区美術館に思いを馳せる。
東京都目黒区。よく聞く名前だが、私は行ったことはない。何か、すごく、硬質なイメージを持っている。それと、目黒祐樹。この人を思い出す。

で、そのまま、次に気になったのはゴシック&ロリータのこの本だ。

私はいつだってユニコーンが好きである。
なぜならば、ユニコーン、即ち、一角獣は、『ブレードランナー』の象徴であり、乙女しか出会うことのない、そして、クィアの象徴という、なんというか、とにかく清らかなる獣だからだ。
ユニコーン、といえば、なんとなく、語感が、ボクオーン、に似ていて、『ロマンシング・サガ2』を思い出す。ロマサガ2の七英雄、その一角のボクオーンであるが、一角的な武器を持つのは海のスービエか。
ロマサガ2の七英雄は、スービエが恵比寿、であり、ボクオーンが新大久保、であるように、全て、山の手線の駅名から来ているそうだが、で、あれば、さきほどの目黒、これもまた、目黒祐樹ではなく、グロメー的な、そういうキャラ、ということだろうか?
どうでもいいが、やはり、リメイク版のイラスト、これはどうなのだろうか。小林御大の描く耽美的な世界は、やはりサガ、シリーズには欲しいところだ。私は『サガフロンティア2』が一番好きだが、好きなキャラクターとお話は、やっぱり『サガフロンティア』のアセルスなのだ……。
ああ、魅惑の君、オルロワージュよ。白薔薇姫よ。すごい設定だ。大好きだ。

そして、次に、私が気になったのは、美術関係のこの本だ。

真贋。それを見抜くことはいつだって難しい。本当の意味で、本物、というものはあるのだろうか。贋物だって、本物以上に本物だと扱われていたら、何時しか本物になるのではないかー。と、まぁ、そんな話ではなく、まぁ、単純に、やはり、私はいつだって、贋物を摑まされる方であるから、鑑定学というのは齧っておきたいのだ(そういう奴が一番騙されるのだ)。

然し、やはり書店はいい。問題は、私に金がない、ということであり、金があれば、欲しい本はいくらでも買えるのになー、と思いつつ。





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