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書店パトロール77 私は図書館で生まれた、いや、嘘だ

今年の書店巡りも本日で終わりである。
師走の空気を吸いながら巡る書店は最高だ。

まずは、私の目に留まったのは、図書館本。

そういえば、最近は図書館に行ってないなぁ。子供の頃は、よく図書館に行っていた、そこで借りた白土三平の『サスケ』や手塚治虫の『ブラックジャック』で私は成長したようなものである。子供には、トラウマがいつだって必要だ。

その横には、絵本編集者の本が。

絵本、だって、図書館ではいつも輝いている。絵本コーナーは文学、藝術の原点なのかもしれない。なーんて、そんなことを言いながらも、まぁ、お金がないので見送る。
で、雑誌コーナーに移動する。年末は雑誌コーナーが楽しい。こう、なんというか、難しい本を読むよりも、グラフィックがいっぱいの色々な特集を眺める、そんな時間こそ嬉しい。

『BRUTUS』の本棚特集。これまた、キチ◯イみたいな本棚がたくさん。
人の本棚は人の脳内を見るのと同様、とよく言うが、まぁ、それは正しい。
一人、全ての本のカバーを外して飾るという、変態上級者の姿が。うーん、こうも徹底しているといいなぁ。確かに、カバー、もいいけれども、本体が美しいものも多いからなぁ、それは人間も同じで、心がキレイってことだよね。
でも、カバーは将来的に高くなるからね、私が頑張って数年がかりで手に入れた『天体嗜好症』のカバーありは本当に難儀したからね、苦闘だったんですよ。
こういう本棚本は面白くて、へー、こんな本があるのねぇ、すごいわねぇ、とか、あ!この本私も持ってるわ!ってそういう時間を過ごせるので楽しい。

で、やっぱりこの本に掲載されている柳下毅一郎氏の本はすごく興味をそそるものばかり。同じ書物蒐集でも、やっぱり自分の嗜好と合うかどうかは重要だ。いくら本が山と積まれていても、あんまり興味ないのばかりだと萎えてしまう。

で、そんなたくさんの本棚、色々な本があるなぁ、と思いながら、お次は芸術新潮、今度は図鑑。

図鑑もいいよねぇ。図鑑は本当に知識だけじゃなくて、絵としても美しいものだよ、人類の叡智だよね、図鑑って、一生読んでいられるからね。
図鑑は本当に勉強になる、私よりも、子どものほうが虫について詳しいのは、彼が図鑑をボロボロになるまで読み込んでいるからだ。
大人は本当に駄目。すぐにネットで調べて上辺だけなぞって識った気になる。剰え、こうしてそれをネットで垂れ流す、悪循環、負のスパイラル、なわけで、まぁ、バカ製造工場の一員として、今日も頑張ります!

で、今度は『kotoba』。特集は、『いい歌詞とは何か』

いい歌詞、それは、誰の心にも響くものであると同時に、問題を提起する、乃至は、郷愁を誘うものでなければならない。私は、一時期、音楽に歌詞なんか意味ないなーとかすら考えていた愚か者だったが、然し、けれども、やはり、歌詞は大事なのだ、何よりも。

で、この本は気になったが、パラパラめくって棚に戻す。

で、歌つながりで『短歌研究』。

なんとも素敵なデザインの表紙。まぁ、私はネコ党ではない、イヌ党だ、でも、ネコが可愛いのは識っている、識っているが、猫好きな飼い主が嫌なのであって、ネコは大好きだ。

で、短歌、私を誘ったのは、表紙に書かれた、新設の賞、第1回『定家賞』の受賞者発表!という言葉。え、現代の定家って、春日井建じゃなかったの?確か三島由紀夫がそう言ってー、いや、いつの時代の話やねん、まぁ、春日井建は、つまりは昭和の定家なのであり、今はもう、令和の定家の時代かもしれない。

然し、私は俳句よりも短歌が好き。短歌よりも、都々逸が好き。なので、私は、来年は都々逸を頑張っていきたい。

小説はリズムが肝要だ。テーマ、も重要だけれども、一番重要なのはリズムだ。リズムのない小説などうんこである。
で、リズムは音だけではなく、その文字としての並びの美しさのことも指している。

で、次に、夏に出たらしき本が目に入る。

海にまつわる、海の民話の物語。私は海党である。山党ではない。まぁ、山、も好きなのだが、海か山か、どっち!?と問われたら、お刺身が大好きだし、海が好きなのだ。無論、山だって好きだが、やはり海ー。
海は佐々木小次郎、山は宮本武蔵であるから(『バガボンド』ね)、やはり、この、海、山、のどっちの料理ショー問題、これは中々答えの出ない人類への永久の問いなのかもしれない。

で、またぶらぶらしているうちに、今度はLGBTqの本が目に入る。

うーん、確かに、私もこう、わかったつもり、なじんだつもり、今の社会は、そうなっている気がする。性に関してはすごい深い問題で、個人個人抱える問題が異なるわけで、まぁ、今も多様性、と、いう言葉の名のもとに生まれる新しい被害者、断罪される人々もいるわけで、難しい問題だ。
私は、この件に限らず、どうしても識ってるつもりになってしまうので、やはりそこは注意が必要だ。

で、最後に気になったのが、杉江松恋の芸人本の評論本。芸人本、私も好きで、よく読むが、1冊1冊を丁寧に論じて、読んでいてとても楽しいし勉強になる。これは夏に出た本だ。

私は、藝術、文学、映画、建築、のコーナーによく趣き、その後、歴史や文庫、漫画、で、サブカルはあんまり寄らないのだが、やはり、色々な棚を見て置かなければ置いていかれてしまう。

だけど私はパトローラー、毎日通っちゃいるけれど、買わないわけで、タイトルしか識らなかったりする、それで偉そうに語るのも、これもエセ多様性だなぁ。


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