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【徒然草 現代語訳】第百四十段
神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。
原文
身死して財残ることは、智者のせざる所なり。よからぬ物貯へ置きたるもつたなく、よき物は、心をとめけむんとはかなし。こちたく多かる、まして口をし。我こそえめなどいふ者どもありて、跡に争ひたる、さまあし。後は誰にと志す物あらば、生けらむうちにぞ譲るべき。朝夕なくてかなはざらむ物こそあらめ、その外は何も持たでぞあらまほしき。
翻訳
死んだ後に財産を遺すなんてことは、智恵ある者ならまずやらない。ゴミ同然のものが蓄えられているのは見苦しいし、良い物なら良い物で、ああこーゆーのが好きだったんだよなと改めてあからさまになるのもなんとなく空しい。ましてやそーゆー物が溢れかえっているにいたっては、論外。俺が貰う!とか云うやつが決まって現れ、死後争いが起こる、あれはみっともないねぇ。これは死んだら誰それに譲ろうと心中密かに期しているものがあるなら、生きてるうちに譲るにしくはない。朝夕の日常生活で最低限必要なものなら持っていてもよいが、それ以外は一切持たず身軽でいるのが望ましい。
註釈
遺産を巡る骨肉の争いは、2000万~3000万クラスが最も激しいと聞いたことがあります。
追記
知り合いの知り合いが、「相続税15億払わなきゃなんないんだけど、頑張って8億しかないのよー」と嘆いて袋叩きにあったそうです。