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【徒然草 現代語訳】第百三十一段
神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。
原文
貧しき者は財をもて禮とし、老いたる者は力をもて禮とす。おのれが分を知りて、及ばざる時は、速やかにやむを智といふべし。ゆるさざらむは人の誤なり。分を知らずしてしひてはげむは、おのれが誤なり。貧しくして分を知らざれば盗み、力衰へて分を知らざれば病をうく。
翻訳
貧しい者に限って金で礼を尽くそうとし、年寄りは往々にして労力で報いようとする。分をわきまえ、力及ばない時には、とっとと撤退するのが智恵というものじゃなかろうか。それが赦されないのは、赦さない方に非がある。無分別にもゴリ押ししようとするのは、本人の心得違いというものだ。身の程知らずの貧者が盗みに走り、年寄りが無茶をすれば病におかされる。
註釈
人を信用していない者に限って群れたがり、自信のない者に限って孤高を気取る、ってのもありますね。
追記
善良な人ほど冗談がつまらない、というのもあったか。