「裏方になったからこそ、演者をやっていてよかったなと感じる」表現者&動画クリエイター JOYくんのキャリアの活かし方
お笑い芸人や『あいのり African Journey』出演といった表舞台に立っていたJOYくん。現在は動画クリエイターなど“裏方”としても活躍しています。
「演者としての経験が裏方の仕事に繋がっている」と語るJOYくんは、どのように動画クリエイターまで活動を広げたのでしょうか。
演者として表舞台での経験を活かした、裏方の仕事術も必見です。
本企画は、クリエイターのプロデュースなどを手掛けるbuggy株式会社の代表を務める関根(@mu41208)と、buggyに関わるさまざまなメンバーが対談。現役で活躍する人たちにプロデュース術や仕事にかける想いをお聞きします。
お笑い芸人やタレントの経験を経て、動画クリエイターの道へ
関根:まずは経歴から聞いていこうかな。JOYくんはこれまでメディアにもたくさん出てきたけど、もともと表舞台に出たいという気持ちはあったの?
JOYくん:昔からテレビに出たいという気持ちはありました。でも勇気もお金もないし、簡単な世界じゃないと思っていたので、工業高校卒業後は地元である茨城県の工場に就職したんです。
働きながら土日にWeb雑誌のモデルやPV出演などの依頼を知り合い経由で受けていたんですけど、だんだん本気で芸能の仕事に挑戦したいと思うようになったんですよね。
関根:どんな芸能人を目指していたの?
JOYくん:もともとはお笑い芸人になりたかったんです。だから上京してお笑いの養成所に通おうと思ったんですけど、養成所は卒業したから事務所に入れるわけではなくて。試験に合格した人だけが事務所に所属できるんです。
そんな環境で学費を親に貸してもらうのも違うなと思ったので、養成所に入るためのお金を自分で貯めて、そのタイミングでまだ自分に熱があったら飛び込もうと決めました。
関根:なるほどね。それで養成所に通ったの?
JOYくん:はい。3年くらい働いてお金を貯めた後に上京しました。養成所に通い卒業はできたんですけど、事務所には所属できなかったんです。なので卒業後はフリーでお笑い芸人を続けつつ、舞台や映像作品などにも出ていました。
関根:お笑い以外のこともやっていたんだ?
JOYくん:そうですね、声がかかったものには全部挑戦しようと思っていました。そのひとつが『あいのり』です。
僕は工場で働いているときからずっと恋人がいなくて、彼女がほしいと思っていたときに知り合いから恋愛バラエティの『あいのり』のオーディションがあることを聞いたんです。応募してみたら受かって出演することになりました。
関根:『あいのり』には、見習い忍者として出てたよね。
JOYくん:そうです(笑)。当時芸人として活動しつつ新宿の忍者屋敷でも働いていたので、「見習い忍者」の肩書きで出演させてもらっていました。
その後は『あいのり』をきっかけとしていろんなお仕事をさせていただく中で、友だちから「YouTubeを始めたいから手伝ってほしい」と言われたんです。
関根:それがきっかけで動画クリエイターのキャリアも始まったのか。
JOYくん:そのときに初めて映像の裏方を経験したんですけど、「楽しい」と思って。それから動画の撮影や編集の勉強もするようになりました。
関根:今は動画クリエイターとしての仕事もやりながら、音声配信プラットフォームの「stand.fm」でも働いているんだよね。きっかけはなんだったの?
JOYくん:コロナ禍で舞台やイベントの仕事が減ってしまったタイミングで、他の角度からエンタメに携わりたいと思ったことがきっかけで、働き始めました。stand.fmでは音声の編集や台本作成で配信者さんのサポートをしたり、新規配信者獲得のための営業をしたりしています。
関根:それはもともとのスキルを活かして?
JOYくん:いや、stand.fmに入るまではメールの打ち方もわからなかったです(笑)。stand.fmで学びつつ、動画編集のクライアントさんからも、メールのやりとりや営業方法を勉強していました。
関根:JOYくんは動画クリエイターとして活動する中で、buggyの案件にも携わってくれているんだよね。
JOYくん:はい。それで1年前くらいに、buggyの関係者が集まる場で初めて関根さんとお会いしました。
関根:そうそう。その後、buggyで縦型ショート動画の案件が増えてきて、あるとき「この動画作ってくれてるの誰?」とメンバーに聞いたらJOYくんで。
改めてごはんに行って話したら、JOYくんのエンタメに対する熱量が高かったから、もっといろんなことを一緒にやりたいなと思ったんだよね。
演者の経験が裏方の仕事に活きている
関根:芸能界やエンタメ業界の裏方として活躍する人の中には元芸人の人も多いと思うけど、その人たちをどう思う?
JOYくん:元芸人の裏方の人たちがいるからこそ、売れる芸人さんが出てくると思っています。僕が養成所時代にネタの書き方を教えてくれた方も元芸人の方で、「面白いネタは書けるけど、自分が面白い人間じゃないことがわかったから作家になった」と言ってて、腑に落ちたんですよね。
関根:裏方をやっていると、「もう1回表舞台に立ちたい」と思ったり、演者にジェラシーを感じたりすることはないの?
JOYくん:同期がテレビに出ていたら嬉しい反面、やっぱり嫉妬する気持ちもありますね。そういうときは自分の中で割り切るしかないですよね。「俺は『あいのり』に出てたし」と思うとか(笑)。
僕はちょっと捻くれているので、その嫉妬を自分のエネルギーにしている部分はあるかもしれないです。
関根:ネガティブな感情やマイナスの経験をポジティブな行動に変換できるのは、そのぶん振り幅が大きいからすごく良いと思う。だから、その気持ちはずっと持っていてほしい。
自分が上がっていくためには、日頃から“仕掛け”を仕込んでおかないといけないんだよね。宝くじだって買わないと当たらないわけだし。だから日常生活でも仕事でも、「この打席でフルスイングしたら100点取れるぞ」と思ったときに、すぐ動ける準備をしておくことが必要。
俺はひとつのことに集中できないから「これがくるかもしれない」というネタを常に10個以上仕込むことを意識して生きてるけど、何かひとつのことで戦っている人はめっちゃ尊敬してる。
これまでやってきた演者の経験と、今やっている裏方の仕事が繋がっているなと思うことはあるの?
JOYくん:すごく繋がっていると思いますね。むしろ裏方になってから、演者をやっていてよかったなと感じます。演者の気持ちや「こう見せたいんだろうな」という要望がわかるので、演者としての経験が今に繋がっていくのが面白いなと思っていますね。
関根:なるほど。そんな仕事をする上で意識していることは?
JOYくん:何かしらのgive(ギブ)をするようにしています。例えば動画編集でテロップを入れるだけの依頼だったとしても、「アフレコを入れたほうが良くなると思います」と提案してみるとか。期待以上のものを返したいという気持ちで仕事をしています。
関根:依頼されたものを100点ではなく110点で納品するということだね、大事だと思う。
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今回は表現者・動画クリエイターとして活躍するJOYくんに、これまでの経歴や動画クリエイターとしての仕事の仕方について聞きました。
表に立つ演者と、編集などの裏方は一見真逆に思えるかもしれませんが、実は深く繋がっていて、JOYくんのこれまでの経験が活かされていました。
次回も引き続きJOYくんが登場。ぜひお楽しみに!
<撮影協力>
今回の撮影は渋谷駅より徒歩6分の所にあるカフェ「Beans Garage Coffee」にご協力いただきました。夜はBARにかわり、お酒も提供しています。
<ふたり広報:取材・多葉田愛/執筆・伊藤美咲/編集・えるも/写真・琴>
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