「美人の湯」とは…「酒池肉林」!?
休校も決まり、次年度の予定も全く未定でどうしたらいいかわからないけどまだ今のところ日本語教師のknkです。
1年が終わります。
この一年は私にとって夢のように楽しい一年で、自身の成長を感じられる一年でした。働いている実感、自分でも社会に貢献できている実感、学生の成長を見られる喜びなど、いろいろありました。
そんな彼らと、何のしまりもなくサヨナラせざるを得ないのがとても寂しい。
半分は在校生なので4月以降に会える可能性はありますが、卒業生は明日でサヨナラ。
その彼らとのやりとりで面白いというか、そうか、文字だけ追ったらそう取れるなと思った出来事がありました。
読解の授業で、
温泉旅館のホームページに書いてある内容を読み取ると言うものだったんですが、
「『美人の湯』と呼ばれる当旅館自慢の露天風呂付き温泉がテレビで紹介されて以来、当旅館は…云々」
というところをみんなで読んでいたら、
男子学生が「先生、ここ、わたしも入れますか?」と質問。
は?なんか変な質問
「はい、もちろん大丈夫です。」
「いいですねぇ、行きたい😚」と言い出しました。
他の男子学生も「はい、わたしも」「わたしも」
え、何で男子が行きたいの?普通女子の方が多そうなのに…とこっちはちんぷんかんぷん。
しかも女子たちは「やだー😣」
ん?何か勘違いが生じてる?
「みんな、温泉って知ってるよね?」
「はい。有名です。」
「うん。じゃあ普通のお風呂と一緒?」
「いいえー肌にいい。」
「そうだねぇ。じゃあ、美人の湯ってどんな温泉?」
「美人がいっぱいいるお風呂🙌」
(・Д・)
(・Д・)
(・Д・)
…っは!そっちだったか!日本人には当たり前の表現過ぎてスコーンと抜けておりましたが、
「美人の湯」=「美人のためのお湯」=「美人がたくさんいるお湯」
という思考回路に至ったらしい。
日本の温泉の経験がない場合、そしてこのクラスの日本語読解力ならあり得なくない。
無意識っていうか何ていうか、とりあえず「わかってて当然」の感覚ってこえー…笑
「うーん、そうじゃなくてね、これは入ると肌が綺麗になる、美人は肌が綺麗、または肌が綺麗になると美人に見える、という意味で『美人の湯』です。男性用なら男性、女性用なら女性がいるだけです。」
全員「あぁ〜!」
その後
「じゃあ心が男、体が女の人はどちらに入りますか?」
というわりと難しい質問を受けましたが、
「そこは旅館の人に確認しましょう。みんなならどうしたらいいと思う?日本の温泉は服を着ませんからねぇ」
と話がそれましたが、
「美人の湯」は「美人がいる湯」かぁ、、、つまり酒池肉林。笑
この話を職員室に持ち帰って、担任の先生や他のクラスの先生(同じテキストを別日に行う)に話したら、全員、
「盲点!」
ですよねー😅
隣でこの話を聞いていた校長が笑いを噛み殺しながら、「そこに日本語教育の怖いところが凝縮されてるよね。」
ほんとですね😅
しばらく授業がないので、こういう面白エピソード(?)を思い出しながら書いていこうと思います。
よければお付き合いください。
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