今日からは妖怪音読ババアも兼任します
来年の春には大学か専門学校か、どこかに進学して行く日本語学校の留学生たち。
そして、留学生の試験では面接はほぼ必ずあります。
この面接試験に時々、「今から渡す文章をその場で音読し、その後、それについての質問に答えてください」という形式を取る学校があります。
英検の二次試験みたい!
通常の面接試験の練習は担任の先生や進路指導の先生が徹底的に行いますが、その基礎としても普段から自然なスピードと発音で日本語を話せるというのは大きなポイントです。
ということで、「私にも何かできることはないかしら?」と考えた結果、今週からテキストの本文に入る前に音読をさせることにしました。
言わずもがな、以前から音読はしていたんですが、前はとりあえず全員に本文を一文ずつ読んでもらうかみんなで輪唱するくらいに留めていました。
しかし今日からは一捻りというか体育会系に切り替え。
1人ずつ当てて、途中でつっかえる、どもる、読み直すなど、聞いていてこちらが「ん?」と思ったら
何度だってやり直し。スムーズに聞き手に違和感を覚えさせずに読めるまでエンドレスのミッション
を課してみました。
もちろん、このルールを説明したのち、こちらが最初に
間を取る場所、漢字の読み方、イントネーション、強調して読む場所など特に読み方に留意したお手本を示して、学生もそれをメモ。
練習時間もとりました。
それでも、いざ自分の番が来ると読めない。
「はい、止まった。やり直し!」
「ここで区切るのは変!聞いていて意味がわからない!やり直し!」
「『よ』と『じょ』が聞き分けにくい、やり直し!(ベトナム人にありがち)」
「『買ぁた』になってる、『買った』です。やり直し!(中国人にありがち)」
などなど、、、スパルタ!
ということで、
本日よりワタクシ、通常の妖怪読解ババアに加え(私はJLPTの読解対策も担当しています)、
妖怪音読ババアも兼任することにいたしました。
読んでいる学生は早く終わらせたいし、間違えるたびに緊張感は高まるし焦るしでぐったりしていました。
順番を待っている学生も同じくぐったり。
終わってもテキストが長いのでもう一度回ってくるかもしれない学生も同じ。
もちろんこちらもぐったりです。
でも、きれいに読めた時は安心と、自信に満ちたいい顔していたし、
何度も何度も繰り返したおかげでそのフレーズが頭に残っている(これは狙い通り)。
何より、見ていて思ったのが
面接時の緊張感と同じくらいの緊張感に耐えうる心臓が育つ(気がする)。
このアクテビティが終わった後、なぜ今までしたことがなかったこの活動をしたのか、学生に説明しました。
一つは、前述の通り、こういう試験を出す学校が最近あること。また、今までしていなくても、今年いきなり始める学校があるかもしれないこと。
二つ目は、今はまだ失敗してもやり直せるけど、本番は一発勝負。多少言い間違えることはあっても、言葉の区切り方がおかしかったり、スムーズに話せないというのは試験官にとっていい印象にはならない。「あ、この学生は話せない」と思われたらそこでもうさよなら、筆記試験がよくてもコミュニケーションが出来ないと判断されかねないこと。それはもったいない。今よりさらに正しくスムーズに話すための練習でもあること
二つの話を聞いた学生は、さすがにピリッ。
最初に説明をすべきか迷ったんですが、そうするとガチガチになってそれどころじゃなくなると思ったので、全員が達成感の中にあるところでしました。
そして、
「これから出来る限り、この練習をしますからね。大変だけど、できたら嬉しかったでしょう?
とりあえず、今日はみんな初めてなのにがんばったね!すごい!」
と褒めて、そしてみんなすでに達成感に浸っていて忘れていた、本日のメインイベント、テキストの精読に入っていったのでした…笑 (本気で血反吐吐きそうな学生が続出いたしました。)
余談ですが、最初のお手本でわたしが詰まった時、学生に「先生、やり直しですね!」と言われました。笑笑 そうだねー、でも私は一回間違えたらもう大丈夫でしたよ🎶
さあみんな、私はどこまでも付き合うからね、いっしょに音読上手、ひいては会話上手になろうね。