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無形

初めて先生に剣を渡されて、どう構えるのかもわからず、
ただ両手にもって前にダラリと垂らしていました。

正眼に構えようとしましたが、ひどく違和感があり、
できませんでした。

下手(したて)から攻撃する意志の波が幾つも来ましたが、
掴むことなく そのままにしていました。

相手は全く打ってきません。

何かに誘われるように踏み出し、
相手の首に剣がゆっくりと触れました。

(なんで避けないのかな)

そう思いました。

2018/4/17 小泉 清