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コンクリートと人とクライテリオン

おはようございます。フェニックス髙橋です。
九州で水害が大変なことになっているようで、災害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。

自分は工学部の人間で、エンジニアに足の爪先くらい浸かっていました。要するに元エンジニアの端くれも端くれの人間なのですが、そんな自分からして大変に腹立たしく思っています。

色々と腹が立ってるんですが、その中でも一番なのは熊本県知事のコメント。
ダムを作れと言うつもりはないんですが、具体案が示せず残念とか、大分なめた発言でしょう。大昔から、為政者は「治水」に腐心をしてきました。だから山梨には未だに「信玄堤」があり、名古屋には「輪中」があったりするんですね。それこそ命懸けで大工事を行っています。
そもそも日本は災害の多い国なんですから、災害対策に努力を惜しまない姿勢は為政者にとって何よりも大事なのではないでしょうか?
それに対して言い訳満点で、当時の支持率が87%だからオレは悪くないとか。
だいたい当時は民主党政権期で、民主党の発足時の支持率も同じくらいでしょう。でもそのあと急落して今の安倍政権に続いているわけで、支持率なんてその程度のもの。(だから民主主義はろくでもないものだと思いますが、それは別の話)そんな程度のものを信じて社会を守るという本来の仕事をサボったことは事実なわけです。
本当に治水を考えていたのかも怪しくて「ダムによらない治水を検討する場」は平成26年に「飛躍的な成果はない」と言ったきり開催もされていません。地震があったり大変だったことも分かりますが、その程度で他のことができなくなる位の人間なら知事は辞めて欲しいですし、そんなところの副知事が都知事選に出て、公党が推薦するとか正気の沙汰とは思えません。口が悪いですが、こんなヤツのする改革なんて「お察し」です。

話がそれました。ダムが全てでないことは自明ですが、ダムを含めた一体的な治水事業を行っていれば、助かった命があることは間違いないですし、共同体が崩れることを防げたわけで、そこにエンジニアの端くれとして腹が立つんです。まず工学舐められてるなと思います。「お前ら程度では大自然には勝てないんだから、無駄なことするな」と言われてる気がするんです。そりゃ勝てないに決まってます。そんなことは百も承知で、でもその上で少しでも被害を少なくできるようエンジニアは活動していると自分は思ってます。
治水というのは未来への贈り物のはずで、それを「コンクリートから人へ」と言って奪っていったことは、彼らの言葉でいえば「サステイナブルじゃない」と思います。
将来に向けて「持続可能な共同体」を守ることも大事なわけで、そこに向けて多様な知恵を使っていく事が大切だと思います。

今後も水害は間違いなく起こるわけで、短期・長期の対策を議論していくことが必要と感じます。

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