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心の健康問題により休業した労働者の職場復帰の基準

前回の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援」という記事で

休業者が復帰する際には業務を遂行できるかどうかを、

本人でも医師でもなく、「会社」が客観的かつ合理的な理由に基づいて

判断することが大切であるとお伝えしました。


ではどのような基準で判断すればいいのでしょうか。


心の健康問題によって休業した従業員の中には、

「しばらくお休みしていたのでリハビリを兼ねてお試し出社してみたい」

と、万全な体調ではない中、復帰を希望する方がいます。


特に理解していただきたいこと、

それは職場復帰に際して大変重要な大原則

「職場は働く場所」であることです。


会社は仕事をする場所です。


・業務遂行に支障をきたすことがなくなり

かつ、

・心身の故障がなくなった

と判断できた場合に職場復帰は認められます。


具体的には以下の3点があげられます。


①元の職場へ復帰ができること

異動は元気な方でもストレスに感じることです。そのため、慣れた通勤経路・人間関係・業務内容・職場といった少しでも負担を軽減できるような原則元の職場への復帰となります。

もし、主治医から復帰時には異動が望ましいという意見が出ている場合には、「元の部署に復帰させると症状が悪くなることが懸念される」という意味にも捉える事ができ、「完全に回復している」という判断ができません。また、異動は休業している従業員1人の問題ではなく、玉突きの対象になる従業員や会社にとっても問題となります。


②通常業務を行っても健康上の問題が生じないこと

復帰しても、すぐに体調を崩して休みがちになるようでは、本当の意味で回復したとは言えません。

通常業務を行っても体調を崩さない程度になるまで回復してから復帰をすることが、再発防止にもつながります。

再発によるコスト増加の防止は、経営面でも非常に重要です。


③本体業務の最低8割以上ができ、かつ、3か月程度で本来業務10割ができるまで回復していること

本来は復帰時に完全な労務提供ができることが条件ですが、あくまでも配慮として復職直後は本来業務の8割程度までなら現場で対応することが可能です。しかし、現場でそれがずっと続けられるわけではありません。労働契約に立ち返り、復帰=しっかり働ける状態である事が大切です。


④週5日間の定時勤務を安定して継続できること

事業所のルールを守って勤務をする必要があります。それは遅刻や早退がなく、9時から18時までの定時勤務ができることです。なお、出社後に体調不良などを理由に突発のお休みが増える場合には、再休業を検討することもあるでしょう。


こうした復帰基準を各事業所であらかじめ作成することで、

客観的かつ合理的な理由に基づいて判断することができるようになります。

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