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迷ったら人に聞き、お礼をする。どうやら無事につけそうだ。
今朝、窓を開けるとカメムシが突然、二匹部屋に入ってきた。
なんとなく気になった。
スマホで、「カメムシ メッセージ」などと検索をかけた。
「深刻に考えすぎだよ、というメッセージです」
そんな検索結果だった。
信じるも否も自由だ。今日は信じてみよう。
今日はもうちょっと、いつもより楽に考えて過ごしてみよう。
本来の心配性な自分は少し忘れてみよう。
意識を変えてみるだけ。次のバスの時刻表も、これからのことも、楽に。
スマホの乗り換え検索も、グーグルマップも閉じてみよう。
スマホを閉じ、道行く人に聞きながら、熊野三山最後の熊野那智大社へ向かう。
写真は取らず、心のままに練り歩く。
観光案内に訪ね、土産物屋さんに訪ね、いわゆる熊野三山(熊野世界遺産の三大神社と言われるもの)の最後の熊野那智大社にたどり着いた。
ここまで来ると、もうお願いすることはない。
感謝というお参りを済ませ、那智の滝へ。
急勾配の長い石段を上がり下り。
リズミカルに、一段ごとに心の中で唱える。
邪念、雑念、我、滅私
邪念、雑念、我、滅私
きっと熊野那智大社で目にした文字が影響したのだろう。修験者を気取りながら、滝へ向かう。
たどり着いた那智の滝は、生き生きと、ドクドクと果てしない水を吐き出し続けていた。
時計も外し、ただそこに佇んでみる。
ザーっという音だけが、耳にこだました。
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熊野古道の旅が終わった。人生が変わる旅なんて存在しない。仏教に帰依している訳でもない。
それでも、少しばかり、聖なる何かは確かにあった。
静かな心で次の目的地である伊勢市へ向かう。
迷ったら人に聞き、お礼をする。
どうやら無事につけそうだ。
今日もなんとかなるもんだ。
明日もきっとそうだろう。