マガジンのカバー画像

エッセイ

31
運営しているクリエイター

#日記

下町のGOEMON ~立ち飲み屋で遭遇したおっさん~

 以前、一人でプラッと立ち飲み屋に行ったときのこと。 僕が立っているカウンターの隣には、パチンコ帰りのおっさんが2名、ワイワイと民度の低い会話を繰り広げていた。  その会話が面白かったのでちょっと紹介しようと思う。 オッサンA「今日俺、暇だったもんだからさぁ、パチンコ行く前にDVD借りたのよ。GOEMONってやつ」 オッサンB「へぇ・・・。知らなねぇなぁ。時代劇かぃ?」 A「まぁ、時代劇みたいなもんなんだけど、CG(“すぃーぢー”的な発音)がすんげぇの」 B「へぇ

【M-1グランプリ2021】優勝予想と個人的な希望

 いよいよ明日に迫ったM-1グランプリ2021。  決勝進出者発表後のネットニュースを中心に、今年はランジャタイの期待値が高いという記事をよく見るが、準決勝後から決勝戦本番までのこの期間は、どのコンビが優勝するかを予想するのも楽しい期間だ。  さて、それでは今回の決勝進出者の顔ぶれが下記。 もも(吉本興業) 真空ジェシカ(プロダクション人力舎) モグライダー(マセキ芸能社) オズワルド(吉本興業) ランジャタイ(グレープカンパニー) インディアンス(吉本興業) ゆ

ゴスペラーズの方ですか?

先日遭遇した女性の話をひとつ。  田舎から東京へ帰る為、ボクは高速バスの停留所でバスを待っていた。しばらくすると、女性が一人停留所にやってきた。 その女性は“ふくよか”という表現では到底コーティング出来そうもない、あり余る霜降り肉とパッションの所有者で、その眉毛の細さと体格から一見して常人の感性では決して辿り着けないであろう場所から世界を見ている方なのだということがわかる。 彼女はその能登半島と見紛うばかりの眉毛をさらに鋭角に尖らせながらあたりを見回して、おもむろにバッグ

納豆と男の子

 “近くのコンビニを探しても見つからない。いつもそばにあるのが当たり前過ぎて、いつの間にか失っていたことにすら気付かない。切なくて、悲しくて、僕はこぼれる涙を眩しすぎるコンビニの蛍光灯のせいにした。”  …納豆の話です…。 無性に食べたくなって、先日、ご飯を炊いてからいざコンビニへ。 がしかし、近所にある二軒のコンビニどちらも品切れ・・・。 凹みますよね・・・。自宅でふっくら炊き上がっているであろう長野県産コシヒカリになんて詫びればいいのか。  仕方がないのでお惣菜を物

キングサーモン

 午前中に都電荒川線に乗った。 都電はお年寄りの乗車率が多いので普段は席が空いていても座らずに、次もしくはその次に乗ってくるであろうお年寄りのために空けておく。  その日は徹夜明けで疲れていて、席もガラガラだったので座っていた。  そもそもなぜ都電がお年寄りの乗車率が高いかというと庚申塚という駅があるからで(たぶん)、その駅は巣鴨の地蔵通り商店街と直結している。巣鴨は言わずと知れたおばぁちゃんの原宿で、地蔵通り商店街と言えばとげぬき地蔵があるお寺の前を通る商店街だ。  おばぁ

さ~て、来週のサ〇エさんは?

 食べ放題バイキングに行ってきた。  結構頻繁に利用するお気に入りのお店なのだけれど、そこでサラダを取ろうとしたときのこと。  トングというおしゃれアイテムの扱いに慣れていないせいで、ワカメを取りすぎてしまった。しかし一度お皿によそってしまった手前、それを悪びれることも無く大皿にリバースするような教育は受けていない私。    仕方が無いので大量によそってしまったワカメをよく見ると、ちゃんと戻っていない。 “戻っていない”というのは、増えるワカメちゃん的な食材を水で戻しき

中華屋のおっさん

 深夜、よく行く安い中華屋(チェーン店)に入ったときのこと。 まあそのお店は美味くも不味くもないが、その駅前でその時間にやってる安い店というだけの理由でよく行く。    店に入ると僕の他に2人客がいて、一人はサラリーマン風の普通のおじさん。もう一人は一目でそれとわかるあまりお話してはいけない小汚いおっさん。  僕が注文をすると同時くらいにおっさんに餃子定食が運ばれてきて、なんとなくおっさんを眺める僕。おっさんは貧乏ゆすりか寒さかわからないが小刻みに震えながら、その店のすべて