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名著を再度読んでみる②【道は開ける】

割と前に流行って前に読んだけど、本棚を整理して出てきたので久しぶりにもう一度読んでみようかなと手に取った一冊。今回は1978年に出版されたデール・カーネギー「道は開ける」です。


今なお、アメリカをはじめ世界中で読まれている名著

デール・カーネギー(1888-1955)は、アメリカの著述家・講師で、人間関係や自己啓発に関する書籍で知られます。代表作に『人を動かす』や『道は開ける』が有名です。この「道を開ける」は、主に人々の「悩み」や「不安」への対処方法についてカーネギーが自ら相談に応じた体験や集めた事例をもとに書かれています。

私も何度もこの本に助けられた

私自身も自分の人生の行く末に不安を感じたときには幾度となくこの本に救われました。一冊の本が人を救うことがあると痛感する名著です。

こんな人におすすめ

・将来に不安を抱える人
・過去に起きたことをくよくよ悩んでいる人
・仕事が楽しくない人
・恐怖や不安でなかなか一歩踏み出せない人

本書の結論

・悩みや不安は、「考える時間があるから」変えることが出来ない過去の出来事やまだ来ていない未来のために出口のない思考を巡らせている状態。

・「考える時間を無くす」ことで悩みや不安は解消される。

戦時中のとある夫人の悩み解決の事例

本書の原書が出版されたのが1948年、ちょうど第二次世界大戦が終わって3年後です。この書籍を執筆するための材料を集めをしたのがちょうど大戦中。

その時のアメリカ内は、多くの人を徴兵し戦地に送り、戦っている兵士はもちろん、主人を戦地に送った夫人の心配事は尽きなかったと言います。

本書の中で、ある夫人の悩みが改善された事例がありました。

その夫人は、ご主人が日本軍が行った真珠湾攻撃の次の日に徴兵され、東南アジア方面に送られたと言います。

真珠湾攻撃でアメリカが参戦を決定した

「うちの人は大丈夫だろうか?鉄砲に打たれたり、爆撃で飛ばされたりして死んでしまうのではないだろうか?無事に生きて帰って来れるだろうか?」

などずっと考えると気が滅入ってしまい、夜も眠れずうつ病になってしまったそうです。この時はどこの家庭も同じ状況だったでしょう。平和な現在の日本では考えられないような深刻な悩みです。

ある日転機がやってくる

まだ結婚したばかりで子どももいなくて、ずっと家にいた彼女。

家で悶々とした日々にある日転機がやってきます。たまたま、知り合いからある工場の経理業務をやってみないかと誘われ、仕事をするようになります。結婚する前は、経理の仕事をした経験があり、結婚と引っ越しを機に仕事を辞めていました。

その工場の仕事はとても忙しく、彼女は休む間もないほど仕事尽くめの生活になったそうです。

毎日働いてくたくたになり、帰ってシャワーを浴びたらすぐに寝てしまう生活。でも不思議なことに、働く前にあれだけ、出兵したご主人のことを心配していたのが自然と消えていたらしいのです。

心配や悩みの原因は、「考える時間(ヒマ)があったから」

彼女が仕事に就くと仕事のことを中心に考えなくてはいけません。ましてや新しい職場で忙しいのであれば猶更です。心配や悩みの原因は考える時間があったからです。いわゆる「ヒマ」が原因でした。

ではこの解決策は「考える時間(ヒマ)を無くすこと」です。考える時間を無くせば、自然と心配や悩みは消えていきます。

人間は一度に複数のことを考えることが出来ない

なぜなら、人間は一度に複数ことを考えることが出来ません。一つの仕事に打ち込みながら、ご主人の心配をすることは出来ないのです。

まとめ

本書は、「悩みや不安」を無くすための方法がその他たくさん書かれていますが、特に私の印象に残った部分をピックアップしています。

過去のことを悔やんだり、将来のことを不安に思うよりは、まずは今・この時出来ることに全集中することが大切ですね。それは仕事でも趣味でもいいと思います。

何かを「無心でやる」というのは、心配を無くすという意味もあるのですね。

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