MBAのこと⑧(修士論文ドタバタ記⑷)
今回は、修士論文完成までの「追い込み期」について書きたいと思います。
〇修士論文ドタバタ記⑴はこちら↓↓↓
〇修士論文ドタバタ記⑵はこちら↓↓↓
〇修士論文ドタバタ記⑶はこちら↓↓↓
目次は結構重要
これまで行った先行研究やインタビュー調査の結果を整理、まとめていくという作業が必要になりますが、私の場合は、インタビュー調査の後、適宜インタビュー結果をマトリックス図を作って分類していました。また文字起こしは、インタビュー調査の後すぐに忘れないうちにテキストに書いていました。録音をする人もいますが私は行いませんでした。録音しても聞き直すという時間が取れないというのが理由です。
それらの内容を一気に論文として書き出していくわけですがその前に、大切なことは「目次」の作成です。目次は論文全体を構成するタイトルを集めたもの。目次を考えることは論文全体の構成を考えることになります。
はじめに⇒問題意識⇒先行研究⇒リサーチクエスチョン⇒調査方法⇒調査結果⇒分析から導き出されること⇒まとめ⇒実践的インプリケーション、今後の課題。私は上記のような順序で目次を作っていきました。そして指導教官に助言を受けて修正し、目次を作り上げました。
論文は読み物であり、読み手にっとって納得がいくようなストーリー展開にする必要があります。それを考えるには目次から繋がりをつくるのが有効だと思います。たかが目次ですがされど目次。ビジネス書でも目次を見るとだいたいどんなことを書かれているのか?面白そうか?などの概要が掴めます。
とりあえず箇条書きで書いてみる
日ごろから、ワードの文章を書く仕事(ライターや作家・学者等?)をしていればいいのですが私も含めて、そこまで大量に文字を書くことはありません。私が通っていた神戸大学MBAの修士論文の要件として最低文字数があり、20,000字を書く必要がありました。ページ数にすると25~30ページ程度になりますが、そこまでの長文は学部生時代の卒業論文以来になります。
当然論文審査を通過するには、文字数以外の修士論文としての質も必要になりますがまずは書くことに慣れること、これが大切だと思いました。
目次が出来たら、とりあえず箇条書きでいいので文章を書いてみることから始めることをお勧めします。いきなり、第1章からがっつりいい文章を書こうとは思わない。どうせ最後に修正する可能性大なんですから…。
ゼミの中で「論文どれくらい書けている?」という話になり、自分が全く書けていないと超焦ります。メンタル的にもまずは箇条書きで全体を書いてしまう。これをするとメンタル的に楽になります。
優秀な同期がしていた習慣
私は、平日コツコツするという習慣が当時はなく、週末に一気に書くというスケジュールで当初は論文を書いていました。平日は仕事も忙しく、夜疲れて寝てしまうので…(反省)。週末にゼミがあり、そこで指導教官をはじめみんなに進捗報告をします。それに合わせて書いていた。というのが修論が書き終わる1か月前までのスケジュールでした。直前1か月間に苦労するわけですが…。
ゼミの同期で一か月前には書き終わるという優秀な方がいました。その方は、締め切りの4か月前あたりから毎朝少しずつ論文を書くという習慣を作っていて、長い時で1000字、短い時でも100字は必ずパソコンに向かって書き、2か月前にはほぼ終了し、あとは細かな修正をするという余裕を持った直前期を送っていました。習慣というのは習慣化するのは少し力が要りますが一旦軌道に乗ると結果的に大きな効果を得ることが出来る。その方は、それを知って習慣にしていました。これって英語やゴルフでも同じですね。少しでいいから毎日触れることが感覚を維持することにつながる。
私の修士論文作成はその習慣は生かせなかったですが今は英語の学習で毎日継続する習慣を付けています。習慣の力はすごい…。
最後の1か月は毎週締め切りを作る
最後の1か月は毎週末に一稿目・二稿目・三稿目・最終稿等を指導教官に提出するという締め切りを自分なりに作りました。毎週末ゴール設定をすることでそこに向かって毎日書く行為が加速したと思います。
原稿が一気に進むと共に、指導教官から毎週フィードバックを貰えるので論文の質が高まるというメリットが得られます。1回だけフィードバック貰うのと4回フィードバック貰うのでは、仕上がりが全く違います。
あと大きなのは論文のストーリー等の方向性を決めること。これが1か月前とかに変更することになるとこれも大変です。出来れば早い段階でこの方向性で行くのか、それとも変更するのかを指導教官に助言をもらいながら決めておくことが望ましいです。私の場合は、大きな変更点は無かったので、残り1か月突っ走りましたが、中には直前まで方向性が決まらない、もしくは変更が発生して最後まで大変だったという人がいました。大学は役所なので締め切り延長は絶対認められません…。気を付けたいものです。
締め切り1週間前に指導教官からOKが出る
そんな感じで1週間前に最終稿を提出しました。その時には、「てにをは」や参考文献の記載方法などのお作法チェックを頂くこと、そして「はじめに」「まとめ」の添削を頂きました。「教授は忙しいから最初と最後しか論文は見ないよ。」と指導教官から助言を受け、最初と最後は添削を受けながら力を入れて書きました。
そして「これでよろしいかと思います。お疲れ様でした。」というOKが指導教官から出ます。終わったという安堵感は今でも忘れません。しかし、まだ最終締め切りまで1週間あったのでそれまで出来ることをまだやろうと思いました。
それは実際論文を印刷して紙で読んでみること。今までは原稿をパソコンで見るだけでしたが印刷してみると様々な点が明らかになりました。まずは、誤字脱字。これはやっぱり出てきます。私の場合50ページくらいの論文になってたので50,000字くらいの分量ですが誤字脱字が10か所くらいはありました。そして文章だけでは伝わりにくい部分もいくつかあり、パワーポイントで体系図を作成して挿入しました。これも紙で出して、読み物として読むことで分かったことです。
修士論文作成は個人マラソン
そして締め切り3日前にWEBで論文を提出。本当にこれで終わりました。思えばあっという間の修士論文作成だったと思います。MBAは働きながら執筆をする必要があるため、時間があっという間に過ぎてしまいます。自己マネジメントすることが大切なのだと痛感しました。もちろんこれはMBAに限らず、社会人として必要な能力。目標に向かって自分をコントロールし、最後まで完走すること。これはまさに個人マラソンと同じだと思います。
修士論文の中身については、指導教官から助言を頂きますが最終的に方針を決定し、書くのは学生自身。中身のレベルや構成も個人ごとに異なります。人それぞれバックグラウンドやキャリアプランも異なり、研究したい内容も千差万別なため、異なる論文になるのは当然ともいえます。
最終的なゴールをするのは自身。別に他の人と競争するわけでもありません。途中リタイアするよりも走り切ること。自分の満足のいく論文を書き上げること。全て自己責任です。
修士論文提出を修了要件にしていないMBAもありますが、修士論文作成は終わってみると自分の探求心を追求するプロセスであり、それを第三者に説明するために表面化する今までに味わったことのない体験でした。この意味で修士論文作成は大変ではありますが、作成して良かったなと本当に思います。
神戸大MBAの同期も修論作成後に転職したり、栄転したりとますますキャリアアップを図っています。私自身、インタビューした人たちとの新たな関わりの中で人生が変わっていくことを楽しみにしています。
(修士論文バタバタ記終了。)