【NYY】Rule 5 プロテクト展望【Yankees】
恐らく今年も11月中旬くらいにロスターセットがあると思いますが,ルール5プロテクトの希望的観測を記そうかと。
めちゃくちゃ省いて話すと,入団から4~5年の選手達を40人ロスターに入れないと他球団へ流失する可能性があります。近年のヤンキースにおいてはGarrett Whitlock(現BOS)とTrevor Stephan(現CLE)をプロテクトしなかったために流失。見事に2人ともリーグ有数のトップリリーバーに君臨するなど,まぬけっぷりを露呈。コロナ禍によるMiLBシャットアウト下でのプロテクト難易度を考慮すればしゃーないけどね。
今回はメモ程度にNYYのルール5プロテクトの展望を書いていきます。マイナーフェーズは面倒なので書かん。
①40人ロスターの整理
まずは何個枠が空くかって話。
契約満了でFAとなるのが恐らく10名。そこにDFA候補のGarciaとLocastroを含めました。この2名をDFAリストに入れた理由はそれぞれ以下のとおり。
ウルトラCで「HicksDFA」も有り得ますが,BenintendiがFAになることを考えるとレフトは1枚押さえておくべきかと。rWARも1.8稼げているし,インフレを加味して10Mなら割安ではあるともとれます。
Rizzoがオプトインするか,契約破棄するかは正直わかりません。成績から考えれば間違いなく市場に出ることが最適解ですが,ヤンスタのベールを脱いだ彼が本領発揮できるとは到底思えません。(これは,ヤンスタとの相性の話であって,彼の価値が低いと言っているわけではない)
②FA・トレードでの補強人数の予想
もちろん「FAで純減する数=Rule5プロテクト数」ではなく,主要ポジションの補強は必須。先発選手で確保が必要な箇所は以下のとおり。
と,最低6名は必要かと思います。中継ぎはChapman-Britton-Greenのリリーフ3本柱が揃ってFAとなりますが,シーズンのほとんどは登板機会すら与えられておらず,戦力ダウンはないためこのままで良いかと。となるとEffrossがトミージョン行きになることで必要となる中継ぎを1枚確保できれば御の字と思っています。ただ優先順位は低い。
やはり急務なのはMontgomeryの移籍とTaillonのFAによって穴の空いている先発5番手でしょうか。この状況でSevyをオプトアウトすることはまずないため,1名の確保をしたいところ。マイナーを見てもWesneskiとWaldichukの移籍が響き,MLB Readyな先発投手は希薄。最悪GermanとSchmidtで代役は利きますが,リスクは高いか。
一塁手に関しては簡単で,Rizzoがオプトアウトすれば補強,オプトインすれば枠は増減なし。ただ,LeMahieuを正一塁手に添えて,Donaldsonも一塁に就けるようコンバートするプランがペイロール的に一番健全。戦力がどうなるかは知らんがね。
左翼は最悪Hicksでなんとかなりますが,問題は右翼。Aaron Judgeが歴代屈指の単年成績を携えてFA市場に殴り込み。もちろん残留交渉には手を尽くすでしょうが,不良債権を多く抱えるヤンキースにとってはシビアな戦いとなるでしょう。慰留失敗となっても外野手の補強は必要になるかと思っています。
そこに,調整としてもう1名プラス。思わぬ怪我人発覚による補強の線などは念のため確保。
となると,ロスターセットによってプロテクトされる有望株は,多く見積もっても6名程度となるでしょうか。
③プロテクト展望
冒頭では触れませんでしたが,CBA締結の遅れによって昨年はRule5ドラフトが実施されなかったため,去年ロスターに置けなかった人員もある程度考慮する必要があります。おおまかに対象となるのは以下の連中。抜けがあっても怒るなよ。
個人的にBritoとChaparroは当確でよいかと思います。Britoは先発・中継ぎのどちらでもValueを生み出せると思いますし,すでに3Aに到達している点もGood。ただ,メカニクスにやや不安を覚えるのは私だけ?
Chaparroは2Aのトッププロスペクト軍団に隠れがちですが,打撃の1点ならば肩を並べられるような存在と思っています。総合的な打撃アプローチを見ても惚れる。問題は守備位置ですが,Andujarに一年サードやらせた球団が日和っちゃいかんぜよ。それでも体型だけは矯正が必要ですかね。
次点でプロテクトもありかなぁと感じているのはRandy Vasquez,Anthony Seigler,Jeisson Rosarioあたり。
Vasquezは去年ブレイクした先発右腕ですが,今季は2Aで可もなく不可もない成績。それでも中継ぎに専念させれば100mphに肉薄できると思っていて,高いスピンレートと相まってマネーピッチになりえるのではと。。そこにプラスピッチのカーブを投じれば一定のValueも見込めるかもしれません。制球はそこまで悪くありませんが,これも中継ぎ転向で弱点ではなくなる可能性も。プレーオフでの圧巻投球見ちゃったら先発も推したいけどさ,,。
そして2018年のドラ1・Seiglerもプロテクトを悩ませるほどに頭角を現し始めました。『両打・両投』『インディアン系』といった触れ書きだけが喧伝されていましたが,今季はアプローチが飛躍しHigh-Aで活躍。年齢は既に23歳ではありますが,捕手のValueを考えればまだまだ若いように思えます。別に捕手に専念する必要もないと思っていて,それこそ2Bや3Bを守れるキャッチャーとして今の成績をキープすればWARマシーンにも成り得るかも,,。今のロン毛が似合ってるので,やんちぃすはさっさと剃髪やめろ。
そして勝手にごり押ししてるJeisson Rosario。高い守備走塁能力が産み出すセンター守備は特筆で,今季は11本塁打とパワーツールにも期待が。そしてなにより104試合で82三振64四球という素晴らしいアプローチを披露した点はGreat!40人ロスターのPereiraがセンター無理そうなのを見ても,Rosario確保は悪い判断じゃないのではと思っています。WARマシーンになってくれよな。
そんで残り1枠はCarelaやSauer,Krookあたりかなと。前者2人なら若いCarelaを・・。SauerはSchmidtやStephan,MarinaccioやWhitlockが指名された花の2017年組ですがMLBで芽が出るかは微妙・・。Krookは現傘下では貴重な先発左腕なので,ワンチャンロスター入りもあるかなと。ただ投手はほんとにどうなるかわからん。先発のValueが残ってる奴を残すか,来季から中継ぎでMLB起用できる奴を残すのか。
GomezとLockridge,そしてVargasは期待外れ。特にGomezとVargasがHigh-Aはおろか,Low-Aですら💩に終わるとは思わなんだ。VargasをNYY4位のプロスペクトとかほざいてたFangraphs,息しとるか?
ただ,野手はアッパークラスで通用してない限りはMLBフェーズでの指名確率はかなり低いかと。Seiglerみたいなリスク大・実績少ない選手をMLBロスターに入れるはずがないので。となると,多少偏重になってでも,アッパークラスの投手はプロテクトしたほうがいいよね。
④最後に
本当なら黄金の2019年大卒組がここに名を連ねるはずが,TJのEffrossや炎症Montasで消え去ったのは痛恨。っぱコンテンドより育成しかないよ。さっさとサラリーダンプして3~5年後のWS優勝に備えろってこったな。
追記⑤ロスターセット後の感想(11/18現在)
結局ロスターセットによって40man入りしたのは以下の陣容。
また,これに伴い昨年40manロスターに入ったものの,故障によってMLB出場ができなかったStephen Ridingsをリリース。NYMにクレームされています。
それ以前には予想どおりLocastroがロスターから外れていましたので,枠自体はかなり空いていたのが実情。ですが,RosarioやChaparroのような野手プロスペクトは1人も追加されませんでした。
これはSeiglerが一番当てはまりますが,AAAに到達していない選手のRule5指名(MLBフェーズ)の公算は低いと思われます。特にChaparroは魅力的なバッティングプロスペクトですが,守備・走塁は誉められたものではなく,他球団に指名されたとしてもスプリングトレーニングで活躍できない場合には速攻リリースされて帰ってくるでしょう。(もちろん逆もありえるけどね・・・)
となると,守備・走塁で一定のバリューを見込め,選球眼も有するRosarioの方がまだ指名される可能性は高いかと。同様の理由でLockridgeもなくはない。Seiglerは怪我のリスクやアッパークラスでの経験不足からして0%でしょうね。
となると流失が一番危惧されるのは投手陣。2Aの先発であってもMLBのブルペンで光輝く可能性があることは冒頭の2人が証明済み。Sean Boyleが移籍したとしても驚きはありません。
まあ上の連中がマイナーフェーズで流失することは有り得るけどね。ほんまクソみたいな制度やで。
追記⑥Rule 5 Draft後の感想(12/8現在)
12/8のウィンターミーティングにて2年振りにMLBフェーズのRule5ドラフトが行われたわけですが,ヤンキースの動きは以下のとおり。
私が網羅していなかっただけの話ですが,本記事で挙げた選手は誰一人流失せず,GreeneとRodriguezという中継ぎプロスペクトが移籍。Greeneは今季AAAで好成績を残していますがK/BBは突出しておらず,投球スタイルもヤンキースが量産できるタイプのスライダー投手。この辺のレベルならいくらでもなんとかなるでしょう。Rodriguezはそもそも32歳のベテランで,構想にすら入っていなかったわ。マイナーフェーズだとNelson Alvarezの流失が気になるくらいかな。Vegaとかいうツイカスは新天地でも頑張ってくれや。
対象的に,野手の流失はOliver Dunnのみ。ここもスモールサンプルで好成績残してたので判断は難しいけど,守備はそつなくこなせるし案外MLBデビューまでいけるかもね。
ChaparroはMLBフェーズでの流失を避けられたわけですが,やっぱり守備走塁,体型,怪我のリスクなどを考えると難しかったんですかね。僕は年齢から考えても来年はVolpeよりスタッツ残せると思っています。あれだけ打撃の完成度が高いプロスペクト,少なくとも傘下にいないのでは。
Rosarioは来年AAAでもK/BB保てるならDunhamより使い勝手いいかもね。楽しみ。Bastidasもマイナーに置いておけるなら守備要員として心強いオプションだよね。