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シード・アーリー期のバックオフィスにはどのような人材が向いているか?

兼務しているバックオフィス業務(経理・労務・総務、等)のオペレーションをどのように回せば効率的なのか、お悩みの CxO の方は多いのではないでしょうか。

一定の段階で「専任スタッフを新たに雇用する」あるいは「引き続き CxO が兼任しつつ、SaaS や BPO サービスを組み合わせて効率化を図る」ことをご検討される方もいらっしゃると思います。

IPO を目指す企業にとって、バックオフィスの構築は避けては通れません。しかし、シード・アーリー期は「構築し切れていないカオスな状態から、将来を見据えたうえでバックオフィスを整えていかねばならない」という時期で、一筋縄ではいかないのも事実です。誰が・どのように担当するかは大きな課題です。

どのような人材であれば、シード・アーリー期のバックオフィスに向いているのか。

今回の記事では、支援の最前線を担う当社のディレクターへのインタビューを通じて、スタートアップ企業のバックオフィスを支援する立場から探ってみました。

自分で仕事を取りに行く

—— 国見さんの Brownies Works でのお仕事について教えてください。

国見: はい、私はディレクターという役割で、以下の 3 つのフェーズでお客様のご支援に入らせていだいています。

  • フェーズ 1:業務設計・初期設定・データ移行
    ヒアリングをもとに業務設計とSaaSの初期設定を行い、昨期のデータ移行等を行う

  • フェーズ 2:プレ運用
    実際に月次作業を行いながら、設定内容や運用手順の確認・調整を実施

  • フェーズ 3:月次運用・運用支援
    月次決算や年次決算支援、経費精算など発生する作業から、SaaSのアップデート対応や運用支援まで多岐にわたりサポート

フェーズ 3 が本運用に移行した段階で、原則はアシスタントによる業務進行となりますが、担当ディレクターはその後も業務内容を監督し、お客様の事業フェーズなどの状況変化に応じて、柔軟に業務対応できるよう努めています。

このやり方ではサービスをご提供できるお客様の数は限られてしまうのですが、私たちの事業のスケールよりもお客様へいつでも・いつも通りの品質でサービスをお届けすることを第一に、サービスを設計しています。

—— 国見さんのこれまでのキャリアについて教えてください。バックオフィスとしてのキャリアは、どのように積まれてきましたか?

国見: スタートは、新卒入社した会社で管理部門に配属されたことがきっかけでした。

会社の事業は「海外で使える携帯電話を(出張などの)ビジネス旅行者向けにレンタルする事業」を行っていました。まだ IP 電話がない時代だったので、海外で “モバイルでの通話” をしたければ現地の通信会社と回線契約する必要があって、手軽に手配できるようなものではなかったんですよね。

そんな時代背景もあり事業が急成長していた時期で、私たちがちょうど新卒の第一期でした。同期は 5〜6 人いたんですが、私だけたまたま配属先が管理部門だったんです。

—— 急成長中の企業、さらに新卒第一期となると、かなりたいへんだったのではないでしょうか?

国見: まさに、ひとことで言えば「カオス」でしたね。

これまで新卒採用をしたことがないですから、会社として “人を教育すること” に慣れていないんです。当然、新入社員の教育プログラムなんてないですし、先輩社員も自分の仕事に忙しく追われていたので OJT もままならない、という状況でした。

逆に言えば、自分で手を挙げれば何でもやらせてもらえる環境だったかな、と思います。

例えば、先輩の机に手書き伝票がそのまま置いてあって、これは会計ソフトに入力するはずだよな、と。「手が空いているので、過去のを見ながらやってみても良いですか?」と声をかけたら「助かる!ぜひお願い!」って返事が来るような環境でした。

ですので、経理は “誰かに教わった” というより “勝手に野良で始めた” という感じで(笑)今にして思えばかなりカオスですが、自分で仕事を取りに行くという姿勢が身に付いたんじゃないかなと思います。

よく分からない状態からでも何とかする

—— たしかに、スタートアップ企業のバックオフィスを支援するうえでは “言われたことをこなす” だけでなく “自分からも仕事を取りに行く” というマインドセットは重要ですね。

国見: はい、そういう意味では、よく分からない状態からでも頑張って何とかするというのも、当時身に付いたマインドセットだと思います。

当時は会社全体が本当に忙しくて、先輩もあからさまに(笑)忙しそうなので、「誰かにじっくり教えてもらう」ということができなかったんですよね。もちろん、どうしても分からない部分は相談するしかないですが、まず自分である程度までやったり調べたりした上で、自分なりの仮説を持って相談しに行くというクセが身に付いたと思います。

あと、バックオフィスだと顧問の税理士・社労士の先生とやり取りする機会も多いのですが、何でもかんでも質問していたら先生に嫌がられますし、かと言って、自分たちで判断できないものを延々と悩んでいても業務が進みません。「ここは自分/社内で解決すべき」「ここは専門家に質問して見解・指示を仰ぐべき」という線引きもできるようになったかな、と思いますね。

今の状況で「何をすべきか/すべきでないか」を把握する

—— 国見さんが今まで数々の企業のバックオフィスを支援してきたなかで、「お客様の担当がこういう方だと、バックオフィスがうまく回っているな」という事例はありますか?

国見: そうですね、ざっくりとしたイメージで言えば、新しいもの好きな方がご担当だと、比較的うまく回っているような印象があります。

もう少し具体的に言うと、担当の方が「効率化のために新しいツールや、やり方をどんどん試してみよう」という方だと、ツールの入替や新規導入にも柔軟に対応いただけますし、こちらからの提案も積極的に耳を傾けていただけるので、業務改善のスピードが速くなりますね。

—— なるほど、変化に対して柔軟な姿勢が大切、ということでしょうか。

国見: たしかに「環境の変化に柔軟に対応する」というのは大切だと思うんですが、本質はそこではない気がするんですよ。

例えば、仕訳の科目ひとつにも厳格なルールを求める方がいらっしゃるとして、それは大企業であれば間違いではないんですよね。スタートアップの場合も、いよいよ IPO の準備が視野に入る時期となれば、内部統制や監査対応の観点から運用ルールを厳密に定めることは正しいと思います。

でも、もし今が「事業を急ピッチでグロースさせていこう」という時期だとしたら、細部にまでガチガチにこだわっていると事業成長のスピードに追いつけなくなってしまう。臨機応変さや、良い意味での “雑さ” が必要だと思うんです。

もちろん「スピード最優先だからいい加減にやってもOK」ということではありません。

  • 今、事業のフェーズがどこにあって、このフェーズでは何を許容し何を許容しないか

  • 今のフェーズにおいて、どこまで自分が職人としてこだわり、どこから外の知恵を借りるべきなのか

…ということをしっかりと把握する。つまり、会社と自分がおかれた状況を把握し、過去の経験を適切にアンラーニングできるかどうかが、シード・アーリー期のバックオフィスでは大切になってくるんじゃないかな、と思います。

経営と実務との「橋渡し」になることを意識する

—— “バックオフィスの支援” というお仕事をするなかで、国見さんが大切にしていることは何ですか?

国見: 相手の立場を尊重しつつ、でも、実務としてやらねばならないことはキッチリとやる、ということですね。

よくドラマで、『社長がよく分からない無茶苦茶な領収書を出してきて、経理の人が「こんなの経費で落ちません!」と言って突き返す』みたいなシーンがあると思うんですが、現実でも似たような対立構造って、社内のいろんな所にあると思うんです。

私は夫の経営する会社で裏方を全部引き受けたり、前職ではバックオフィス部門のマネジャーをしていたりもしたので、経営者に近いところで仕事をする機会が多くありました。なので、経営陣がおかれている立場はなんとなく分かります。

一方、いち担当者の立場として、現場サイドが感じている “実務を期限どおり回さねばならないプレッシャー” や “職業人としての仕事に対するプライド(こだわり)” も理解できます。

経営者の立場や考えを理解しつつ、それはそれとして、実務は滞りなく回さなければならない。そのために自分は何ができるのか、という橋渡し的な役目を担うことを大切にしています。

—— バックオフィスの構築に悩んでいる CxO の方に、メッセージをお願いします。

国見: どのようなことでも、ぜひオープンに相談していただけると嬉しいです。

先ほど「今の状況を把握することが大切」と申し上げましたが、たとえ状況が把握できていなかったとしても、“ありのままの状況” や “お悩みの点” などをそのままおっしゃっていただければ、こちらで察してお役に立てることを見つけられると思います。

逆に、情報を充分にいただけなかったり、現状を変に取り繕ったりされてしまうと、充分にお役に立てなかったり、後々になって問題が出てきてしまったりするケースもあります。

私たちはカオスに対する耐性はかなりあると思うので(笑)今がどんな状態であっても遠慮することなく、ご相談いただけたらと思います。

【PR】Brownies Works のご紹介

 私たち Brownies Works は、シード期〜シリーズA後のスタートアップ企業を中心に、バックオフィスの構築・運用を支援するサービスを提供している会社です。

私たち自身はスタートアップではありませんが、社会課題の解決やイノベーションを志し、成長を目指すスタートアップ企業の皆さまをバックオフィスという領域で支えることで、より良い未来を創るお手伝いをさせていただきたいと考えています。

特に、シード期〜シリーズ A 後の「これからの事業成長に備えて、体制を作っていかなければならない」というフェーズにおいて、もっともお役に立てるのではないかと思います。

これからも弊社一同、お客様のお役に立てるよう努めてまいりますので、今後とも Brownies Works をよろしくお願いいたします。

もしも、「バックオフィスの専任メンバーを雇いたいけど、なかなか見つからない…」「CxO がバックオフィスを見ているけれど、もっと本業に集中できる体制を作りたい…」という方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。ご相談はもちろん無料です。

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