
OKRって何?
12月、カナダのインキュベーターDMZによる経営ワークショップで、初めて具体的にOKRについて学びました。
OKR(Objectives and Key Results)とは、目標(Objective)と主要な成果(Key Results)を設定し、組織や個人のパフォーマンスを向上させるための目標管理フレームワークです。シンプルで透明性が高く、特にGoogleをはじめとする多くの新興企業が活用して、大きな成果を上げています。
◎構成要素
1. Objective(目標)
• 何を達成したいのか?
• 定性的で、やる気を引き出す目標。簡潔で分かりやすいものが求められる。
• 例: 「顧客満足度を向上させる」
2. Key Results(主要な成果)
• 目標を達成するために測定可能な指標は何か?
• 定量的で進捗状況を確認できる具体的な成果。通常、1つのObjectiveに対して3~5つ設定する。
• 例:
• 「カスタマーサポートの応答時間を平均5分以内にする」
• 「NPS(顧客推奨度)を10ポイント向上させる」
◎OKRの特徴
1. 野心的な目標
• 達成可能性が100%でなくてもよい(70~80%の達成で十分とされる)。
• 挑戦的な目標を設定することで成長を促す。
2. 透明性
• OKRは全社的に共有され、全員が他の部門や個人のOKRを閲覧可能。
• チーム間の連携を促進。
3. 頻繁なレビュー
• 四半期ごとに設定・レビューされることが一般的。
• 進捗状況を定期的に確認し、柔軟に調整する。
4. 成果の測定
• Key Resultsが具体的な数値で定義されているため、達成状況を客観的に評価できる。
◎Googleでの活用
Googleでは1999年の創業初期からOKRを導入し、以下のような効果を上げています:
• 方向性の共有: 急速に成長する中でも全社員が共通の目標に向かう。
• 優先順位の明確化: リソースを最も重要なプロジェクトに集中させる。
• 成果志向の文化: 野心的な目標を追求しながら、失敗を学びの機会と捉える。
◎OKRのメリットと課題
メリット
• シンプルで実践的。
• 組織全体の方向性を統一できる。
• 挑戦的な目標を設定することで成長を促進。
• 進捗状況を定期的に把握できる。
課題
• 適切な目標設定が難しい場合がある。
• 達成率が低いと士気が下がるリスク。
• 初めて導入する組織では習熟に時間がかかる。
◎OKRの簡単な導入例
1. Objective: 新規顧客を増やす
• Key Result 1: 3ヶ月で新規顧客を500人獲得する。
• Key Result 2: 新規顧客の成約率を15%に向上させる。
• Key Result 3: 広告キャンペーンのクリック率を10%に増加させる。
では、OKRは、ドラッカーが提唱し日本企業の多くが導入したMBO (Management by Objective)と何が違うのでしょうか。
続きは、また次回。