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ずっと抱っこしてほしかった

ずっとずっと、長い間私は抱っこしてほしかった。


腕を伸ばし、顔を見上げれば、にっこり笑顔で優しく抱っこしてくれる、そんな母だったらよかった。

ずっとずっと、長い間私は味方になってほしかった。

悩みを打ち明れば、私の気持ちをわかろうとしてくれて、大丈夫だよ、味方でいるよ、って頭を撫でてくれる、そんな父だったらよかった。


母は、小さいきょうだいが抱っこされ、羨み抱っこをねだる幼い私に
「ちいさいほうが可愛いのは仕方ない」
と言った。


父は、どうしたらいいのか分からず悩みを相談した幼い私に
「俺は知らない。お前が責任をもてよ。」
と言った。


突き放されるような、感覚。

自分の足元が崩れていくような、感覚。

自分が自分でないような、感覚。

自分の世界が壊れていくような、感覚。


ああ、わたしはたいせつな子じゃないんだ

ああ、わたしはいらない子なんだ


何度も何度も唇を噛みながら涙をのんだ。










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