余生のコアタイムというオレの考え方
オレは、2020年の1月半ばに脳出血を発症し、救急搬送からのICU、HCU経由の一般病棟、そしてリハビリ専門病院への転院と5か月間の入院、そこからの退院という形で、このシャバに戻ってまいりました。
正直に言うと、救急搬送時に意識を失い、次にその意識が戻ってからしばらくは、左半身麻痺という現実の身体の状況を受けとめることだけに精いっぱいで、実際は退院するまで今後のことなどを考える心の余裕はほとんどありませんでした。
オレの場合、感覚障害と運動機能障害は重度ですが、おかげさまで視覚や聴覚、言語などの認識と思考に関しては表面上それほど脳にダメージを受けていないようで、リハビリ入院中のパズル系のテストでもIQ130の満点を叩き出したりもしていました。
それはそれで脳全体で見たら、機能的にはかなりアンバランスなポンコツ畸形なCPUになってはいるのでしょうけどね。
実際にも、出血による脳細胞の壊死で右脳がやられているので感情の抑制などの長い目で見ないとわからない高次脳機能障害は少なからずあるみたいだしね。
少なくとも前以上に短気で直情径行にある、性格的にはかなり問題のあるヤツにどうやらオレはなっているらしい。以前の自分がどうだったか自分ではわからないから比較も自覚もできないけどさ。
その一見マトモそうに働いてはいるオレの発症後のポンコツ脳は、シャバに戻って以降、時間がある折々につけやたらと考えるようになりました。
「オレはあと何年生きるんだろう?」
それを考える際にも具体的なデータがあります。
出血と梗塞を合わせた脳卒中発症者の10年以内の再発率は50パーセントを超えています。
そして、再発すれば、障害の程度は今より重くなることはあっても決して軽くなることはない。そもそももう一度死なないですむという保証もないし、再発後の死亡率や寝たきり率もそれなりに高いはずでしょう。
この再発率の高さは卒中の主な要因となるのが生活習慣病だからかと。
つまるところ、高血圧を放置したり悪化させる日々の食習慣に、喉元過ぎれば熱さを忘れて戻ってしまうからだと考えられます。
ところがですね。この一般的な見解はオレには通用しないんだな。
オレは発症前は「ストイックな酔っぱらい」と言われており、会社の健康診断では肝機能や尿酸値はともかく、高血圧で治療を指導されたことは一度もありません。
以前も書きましたが、発症後の精密検査で判明したのですが、オレの副腎には良性の腫瘍があり、そいつが血中ホルモンに悪さをしてカリウム濃度が下がり、数値的にも自覚もないまま血管を脆くしていたのです。
いま思えば、97年の大腸出血もそのあたりが原因として怪しいので、あの大量失血による救急搬送時に検査でそのポリープに気づいていれば、今のこの片麻痺は避けられたかとも思いますが、それこそ後の祭りですね。
どうやら卒中発症者の5パーセントぐらいは、この原発性アルドステロン症が潜在的な要因らしいですから、皆さんも健康診断の際は単純に血圧だけでなく、血中ミネラルの数値にも配慮した方がいいですよ。
そういうわけでオレは自分の余命を考えると、漠然とですが、あと30年は無理な気がするけど、定期的な血液検査と年に一度の脳のMRI撮影で、再発の予兆を検査しつつそこに即して生活を管理していれば、20年は生きていられるかなと思ったりしています。
そして、仕事から完全に引退して過ごす余生のコアタイムを仮に10年間と設定すると、そこに至るまでの前段階の5年間を準備期間、コアタイムを過ぎて介護施設に入るなりしての人生の後始末ともクールダウン期間とも言えるであろう最晩年を5年間と想定して足せば計算上の20年間となります。
そのオレの机上の空論的な目論見によると、すでに発症から3年が経過してるんですよね?
そうすると、余生コアタイムの10年間を充実するための準備期間があと2年しかない…。まあ、そんなにキリよく3段階を踏めるわけもないのは百も承知してはおりますが、あくまでも個人的にこうありたいという気概の問題としてね。
こんな高次脳機能障害のいかれポンチがやたら日頃から焦った言動ばかりする裏には、こんな獲らぬタヌキの皮算用的な強迫観念があったりするので…という話でした。ほんと、発症以降はヒマがあればいろんな計算ばかりしがちだな、オレ。
それにしても今日もネジの外れたバカな話ばかりしてごめんなさい…(_ _;)
まあ、とりあえずは皆さん、目指せ自前の歯20本を持ちトイレに自分で行ける80歳!…でまいりましょう!
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/hale/h-01-002.html
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