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ブリティッシュメイド青山店を訪ねて: GLENROYAL(グレンロイヤル)Part 1
みなさん、はじめまして!
ブリティッシュメイドのWEBスタッフYOKOと申します。
2020年8月にブリティッシュメイドに入社したばかりのピカピカの新人です。
少しだけ自己紹介を……。
快晴とタワーブリッジ
わたしは10年ほど前にロンドンに4年間、留学していたことがありました。
それはちょうど、イギリス首相がゴードン・ブラウンからデーヴィッド・キャメロンに変わった年で、皮肉屋のロンドナーたちが口々に「キャメロン坊ちゃんに一般市民の気持ちはわからんよ」とぼやいていた頃でした。テレビではキャメロンを揶揄して、90年代に流行したブリティッシュバンド Pulp(パルプ)の『Common People(普通の人)』という曲がくり返し流れていました。
最初の2年間は語学学校に通い、次の2年間で大学に通いました。世界5大陸から集まった友だちと一緒に、イングランド、スコットランド、ウェールズを旅してまわり、足が棒になるまでロンドン市内を散策し、1パイントのビールにフィッシュ&チップスを食べまくりました。この4年間が、イギリスを私の第二の故郷にしてくれたのです。
ロンドン市内を一望できるプリムローズ・ヒル
帰国してからも、イギリスとの縁はつながっていたいと感じていました。だからでしょうか、昔よく飲んでいたCLIPPERのオーガニックハーブティーやWALKERSのショートブレッド、DIVINEのフェアトレード チョコレートなどを見かけると無意識に贔屓してしまいます。いつまでもイギリスにかぶれていたくて、サンドイッチと一緒にポテトチップスをつまむスタイルは今もそのままです。そして今でもイギリスから持ち帰ったたくさんのお土産に囲まれて暮らしています。わたしはやっぱりイギリスが大好きなのです。
イギリスと出会って10年が経つ今年。
縁あって渡辺産業という会社と出会うことができました。
渡辺産業は50年以上にわたり、クラフトマンシップを通してイギリスと関わりを深めてきた会社です。そんな渡辺産業が経営する「ブリティッシュメイド」は、日本にいながらイギリスを味わうことのできる場所です。
イギリスのモノに触れ、文化に触れ、情報に触れてお仕事ができることをとても嬉しく思っています。
みなさん、私のイギリス愛にどうぞお付き合いください!
よろしくお願いします。
■ ブリティッシュメイド青山本店を訪ねて
意気揚々と入社したものの、まずはブリティッシュメイドが取り扱っているブランドやアイテムについて、しっかり勉強しないといけません。なんでも、ブリティッシュメイドの青山本店には勤続10年以上のベテラン店長さんがいらっしゃるのだとか。
百聞は一見にしかず。
さっそく青山本店を訪ねてみることにしました。
ブリティッシュメイド青山本店
ブリティッシュメイド青山本店は、表参道駅のB1出口から徒歩10分のところにあります。おしゃれな骨董通りを少し歩いて、めがね屋さんの角を右に曲がり、少し進むとその路地裏にお店が見えてきます。
■ 今日ご紹介するブランド「GLENROYAL(グレンロイヤル)」
お店の一番目立つところにディスプレイされているのが、「GLENROYAL(グレンロイヤル)」というスコットランド発祥のブランドです。世界3大レザーの1つ、英国発祥の「ブライドルレザー」を主素材に、約25人の熟練工がハンドメイドで製品を仕上げています。
ブランドストーリーは公式サイトに詳しく掲載されていますので、ぜひこちらをご覧ください。
〇 グレンロイヤルの歴史について
〇 ブライドルレザーの魅力について
今日は「GLENROYAL(グレンロイヤル)」の魅力について、青山店の川口店長にお話を伺いました。
■ GLENROYAL(グレンロイヤル):ブライドルレザーのブルームについて
ブルームが現れたブライドルレザー
YOKO(以下、Y):グレンロイヤルと言えば「ブライドルレザー」の名門だそうですね。革に蜜蝋(ワックス)を擦り込ませることで繊維を引き締め、耐久性を高めているのだとか。でも、その蜜蝋が白く粉を吹いた状態で表に出てくるとは驚きです。恥ずかしながら、こういう革があることを初めて知りました。
川口店長(以下、川口):白い粉が吹いた状態を「ブルーム」と言います。ブルームは蜜蝋が自然に浮いてきたものなので、磨いて落としてから使ってもいいですし、そのまま使ってもかまいません。ただし、表面の保護など多少の役割はあっても、基本的には不要なものと考えてください。蝋なのでヌルヌルもしますし……。
Y:ブルームが現れた財布や小物をバッグに入れると、他のモノが汚れてしまったりしますか?
川口:その可能性はあります。特にバッグをお使いになるときは、スーツと合わせることも多いので、磨いてからご使用になるのをおすすめしています。擦れると蝋がスーツに付着して、クリーニングでもなかなか落ちないですから。店舗でお買い上げいただいた方には、ブルームを磨かせていただくサービスも行っています。
■ GLENROYAL(グレンロイヤル)のマネークリップ
グレンロイヤルで人気のマネークリップ(小銭入れ付き)
Y:グレンロイヤルにはアイテムがたくさんありますが、中でも「マネークリップ(小銭入れ付き)」がとても人気だと聞きました。ミニマリストが増えているからでしょうか?
川口:まあ、それもあると思いますけど、純粋に見た目がかっこいいんだと思います。マネークリップというアイテム自体がかっこいいと思うんですよ。
Y:そうですね。お札の出し方とか、マネークリップを使うとスマートに見えますよね。でも、マネークリップに小銭入れが付いているデザインは珍しくて、とても新鮮です。
川口:ええ。以前は「フラップ付き長財布」に人気が集まっていました。その後、徐々にコンパクトなものの人気が高まっていきましたね。グレンロイヤルのマネークリップは、小銭入れが付いているのでとても人気です。探してみると、小銭入れが付いているマネークリップって意外に見つからないんですよね。
Y:確かに、あまり見かけませんね。
川口:それから、僕は財布の幅をけっこう気にするタイプなんです。みんな携帯電話を持ち歩く生活が当たり前じゃないですか。だから、携帯電話よりもあまりに大きいサイズだと苦手なんです。その点、マネークリップはうまくできているんですよ。
マネークリップのクリップ部分と小銭入れ
Y:「グレイスコレクション」(女性のためのコレクション)のマネークリップには、なにか違いはありますか?
川口:女性が持ちやすいように配色や素材は変えていますが、デザインはまったく同じです。例えば、細かい格子状のエンボスを入れた「レイクランド ブライドルレザー」を使用したものがありますが、革の表面についた傷が目立たないので、新品に近い状態で長く使いたいという方にはぴったりです。
Y:グレンロイヤルのロゴなんですが、箔押しと素押しがあるんですか?
川口:コレクションや期間限定のものによって、ゴールド、シルバー、素押しがありますよ。
川口:それからこれは、ジップチャームに取り付けてお使いいただけるキーホルダーです。スコットランドの民族衣装にも使われているタッセルがモチーフです。
Y:厚みがあって存在感がありますね。
川口:グレンロイヤルは、アイテムによって革の厚みも変えているようですね。小物類には薄手のものが使われているようです。
■ 財布のお手入れ
Y:グレンロイヤルは、ブライドルレザーの経年変化が素晴らしいと聞いたのですが、理想的な経年変化を促すために、お手入れは欠かせないですよね?
川口:はい。基本的にブライドルレザー商品はすべて、お手入れをおすすめしています。
Y:靴やバッグのお手入れはよくしますけど、財布まではしていませんでした。お手入れ用のアイテムは何かありますか?
川口:こちらがブライドルレザー専用のワックス「ダビン」です。
ブライドルレザー専用のワックス「ダビン」
Y:これを指に取って塗り込んでいく感じですか?
川口:指でもいいですけど、指だとベタベタするので布で塗ってもいいですよ。ただ、指で塗るメリットは、ワックスを少量取れるという点です。布やブラシを使うと、どうしても取りすぎてしまいますが、指であれば加減しやすいですよね。さらに言うと、人肌でワックスが溶けるので塗りやすくなります。ワックスの後はブラシをかけて、ワックスが安定したら乾拭きをして仕上げてください。もし乾拭きのときに引っかかるような感覚があるなら、それはワックスの塗りすぎですね。
Y:ワックスの後は、布よりもブラシのほうがいいんですね?
川口:ブラシは点の集合体なので、布よりもワックスが均等に広がりやすいんです。ワックスを付けすぎた場合でも、ブラシがはじいてくれます。また、エンボス加工された革の表面やステッチ部分など細かいところでも、ブラシを使えばワックスを塗り込めます。ブラシは馬毛ぐらい柔らかなブラシのほうが、傷もつきづらくていいですよ。
Y:なるほど、ありがとうございます。かっこいいブライドルレザーを私も育てますね!
〇 グレンロイヤルの経年変化を見る
〇 ブライドルレザーの詳しいケア方法