「春夏秋冬 猫うらら〜CATS IN HAIKU」より〈朱夏〉|#本の紹介
先般、「春夏秋冬 猫うらら CATS IN HAIKU」という本を購入した。
~猫の句を絵に描く(俳句に英訳付き)~という帯。
読んでみてほっこりしたので、選句してnoteでご紹介したいと思う。
前回は、購入した本から、猫の俳句〜春の句を幾つか取り上げてみた。
今回は、季節が移って朱夏の句でまとめていく。夏の日の猫はどのように過ごすか、想像して頂けると幸いに思う。
塗盆に猫の寝にけり夏座敷
小 林 一 茶
a sleeping cat
on a lacquer tray;
the summer tatami room
nuri−bon ni neko no neni keri natsu−zashiki
Kobayashi Issa
❇ ❇ ❇
夏の盛り。猫は暑さが苦手です。
誰に言われるまでもなく、家の中で一番涼しいところを探し出します。この度は、塗り盆を選びました。
ひんやりとした感覚がなんとも快適です。
✥季語「夏座敷」夏
炎帝や猫おろおろと街あるく
永 井 友 二 郎
blazing heat
a cat in a dither
walks in a street
entei ya neko oro−oro to machi aruku
Nagai Tomojiro
❇ ❇ ❇
猛暑の真昼時、街中には人っ子ひとり歩いていません。
それなのに、炎天下を一匹の猫がおろおろと歩いています。
この猫は野良でしょう。よほどの止まれぬ事情があるようです。
はやく、涼しいところに避難しないと、倒れてしまいますよ。
✥季語「炎帝」夏
あとふたつは、俳人の句に対して、BRILLIANT_Sがその表現を自分なりに捉えてみた。
熱帯夜猫も私も眠られず
鈴 木 玲 子
it was a tropical night,
and the heat never subsided.
the cat and I are both restless, tossing and turning many times
and fidgeting on the floor.
nettai−ya neko mo watashi mo nemurarezu
Suzuki Reiko
❇ ❇ ❇
熱帯夜で、いつまでたっても熱がおさまらない暑い夜。
何度も寝返りを打ったり、床に就きながらごそごそ落ち着かないのは、猫も私も同じ。
何か想うところがあるからかもしれない・・・。
おまえも、眠れないでいるのですね。
✥季語「熱帯夜」夏
三毛猫と黒猫と会ふ夜涼かな
藤田湘子
walking outside at night to cool off,
I came across a tortoiseshell
and black cat walking side by side.
perhaps these cats were meeting tonight to avoid the harsh sunlight.
mike−neko to kuro−neko to au yaryo kana
Hujita Shoshi
❇ ❇ ❇
夜、涼むために外を歩くと、三毛猫と黒猫が並び歩いているのに出会いました。
もしかしたらこの猫たちも、夏のくっきりと眩しい日差しを避けて、今宵、逢い引きをしているのでしょうか。
闇のあいだに浮かぶ姿を、床しく思います。
(英訳部分はDeepLを使っているので、韻を踏むなどの工夫は出来ていないかもしれない。)
この本を読んで、「吾輩は猫である」ではないが、猫になり切って詩歌を詠んでみるのも一興かなと思った。
俳句は難しいが、近々挑戦してみたい。
お読み頂き有難うございました!!
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