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アダルトチルドレン卒業ヒストリー⑩幸せを探しながらの「ハードワーカーと山と旅行」

 
わたしの絶望だらけの暗黒時代から
心の自由を取り戻し、
等身大の自分のまま輝いて生きていくまでを
書き記すシリーズ。
 
前回の記事はこちら



今日は10日目。
「ハードワーカーと山と旅行」


高校を卒業した18歳。
時代はバブルが弾けたけど
まだ一部の人には余韻が残っている時でした。

 
 
同級生は、就職氷河期に突入していて
卒業間近になっても
就職先が決まっていない人もいました。

 

そんな大変な時代に、
ありがたいことに採用してもらった
銀行員の仕事は、
私にとてもあっていました。



初めての社会人。

初めての会社勤め。



入社後3ヶ月で人の評価を異常に気にしていたことから
怖すぎる先輩(直接の指導員ではないのですが、同じ課にいました)
の評価や慣れない人間関係から
緊張しすぎて胃炎になり胃カメラの検査を受けました。


大変な日もありましたが
毎日数字が合うことで充実感を体感し
電話の受け答えやお客様の口座を作ったり、
パソコンの入力、接客など楽しいものでした。

 



高校で学んだ簿記の仕分けや
小学校2年間と高校時代にやった珠算のスキルのおかげで、

窓口で受けた現金の
一連の流れもあっという間に
苦労なく理解できました。


 
また、海外にも支店があるような銀行だったので
広い視野を持つ先輩などに恵まれ

入行3年目くらいまでは女性支店長に
憧れていました。

地元の小さな新聞社の記事にも載せて頂きました。


 
 
採用になった銀行は、
「親元から通う」が鉄則。



 
私は一人暮らしをするチャンスを逃し
ここから約8年間実家に
住み続けることになります。 




 
高卒で就職。
初めて銀行に入行してして1ヶ月もしないうちに
会社がしてくれた「新人歓迎会」でのこと。 

 
帰り際に、営業課の課長さんから

「なんか、今までの新人さんと違うね」
「視点が違うのかな?」
「言われたことない?」と

7人いた同期の中でも
私にいい意味で言ってくれたのです。




 
承認欲求の塊で自己肯定感がかなり低かった私にとって
とても嬉しい言葉で、
この仕事を頑張って、人から認めてもらって
お客様に喜んでもらって。

そうしたら幸せが手に入る。
母親も私を認めてくれるようになり、喜んでくれる。

母を笑顔にできる。
幸せになれる。

そう思いがむしゃらに働きました。




 

銀行には窓口業務の人だけではなく
裏方の人にも
預金○〇〇万円という目標がありました。
 
とにかくしっかり働いて、母親に認めてもらいたい。
期待に答えいたい。

 

がんばってがんばって
ご近所さんやお友達の親などに
預金の協力を求め目標を達成できるように
必死に働きました。
 
 
2年目に入り
同じ課にいた先輩方が次々に減り
4人いた行員が
私1人+パートさん2名になりました。
 

入行2年目の半年間は
まだ慣れない仕事で夜21時くらいまでかかり
その日の仕事を
全て終わるまでこなしたりしました。

 
課の中で、1番がんばったり、
成績が良かった人は
ボーナスがプラスになると聞いたので

いつも1番を目指し
何度かプラスのポーナスを獲得して
先輩方を抜かし、評価してもらったことに喜びました。



 

 
とにかく、ハードワーカーでした。


お休みの日でも預金してもらえると
なればお手続きに行ったり
仕事を完璧にこなす、会社の成績のためを
目標としてバリバリ働きました。
 

また、もっとお金を増やして欲しいものを
購入しようと、
ちょっとしたアルバイトがあるよ、
と聞いたら働きにいきました。


 
自分の顔や容姿に強いコンプレックスがあったので、
お金をかけ一流ブランドの化粧品や
バックもたくさん買いました。

ちょっと高いスポーツカーも買いました。




 

 
一方で、失敗があったらすぐに涙が出たり、
自分の意見を求められたら
うまく話せなくて、また涙が出て
言葉にするのは大の苦手。
 

自分を表現しようとすると涙が勝手に溢れ、
うまく話せない、また何をするのでも
常に周りと比べて
「本当にダメな自分だ」と自己否定を
繰り返し、苦しくなりました。 
 

会議では、一人一人順番にどんなことをしているのか発表する機会が数ヶ月に一回ありました。
いつも手が震え、人よりもかなり緊張し
下書きしたメモを読むので精一杯でした。
ボソボソと発表し、みんなにちゃんと聞こえていたか、
あとで何て言われるのか、課長に叱られるのではないかとオドオドしました。
 

 
 
どうして私だけ、自分のことを話そうとすると
勝手にこんなに涙が出て
止まらなくなるのだろう。
どうしてみんな涙が出ないのだろう。
人と比べていつもモヤモヤしていました。



もっと、仕事を頑張って、
自信をつけられたら涙も出なくなって
自分の意見を堂々と言えるようになるはず。

頑張ろう。


 
 
入行5年目頃には、仕事にもなれてきました。

ですが、お勤めしていた銀行は破綻しました。
大好きだったのでショックでした。
テレビで頭取が頭を下げているの見て悲しくなりました。


しばらく1年間はこの先の人生を考えると不安でいっぱいに。
でも、止まらないたくさんのお客様の解約の手続きで激務が続きました。

ですが、受け皿となった銀行に再就職をしたりと
仕事への情熱は続きました。




 

土日がお休みで、
年に一度1週間連休というものを会社が用意してくれていたので

東京や大阪、神戸など
1番下の妹やお友達、
または1人で遊びに出かけました。

宝塚が好きで、推しに会うために
飛行機に乗って観劇にも通いました。
 
 
表面的には彼氏がいて、
お金もあり食べたいものも食べ、
欲しいものも手に入り。




 
表面上は幸せですが、

いつも何かに追い詰められ
常に体に力が入りガチガチ、心から安心できる暇はなく、
完璧に頑張り続けなければ成功できない、
という思い込みが心の奥底にあり、なるべくネガティブな気持ちは見ないように
感じないように避けていました。

怖いや悲しい気持ちが湧き上がったら、そんな気持ちや感情に
蓋を閉めて感じないようにする癖がついていました。



 

そしてもう一つ。
「登山」にハマりました。

星が大好きでしたので、
「星を見るのが好き」
「宇宙が好き」な素人のサークルに入りました。

その仲間と牧場付近やちょっとした小高い丘など
星をいろんな場所でみて楽しみました。

それを繰り返していた1年後、代表の人が
「山の上から星を見たら、もっとすごいんだぞ」

の一言にメンバーみんなが
山の上から眺めた星を想像して

「たくさんの星を見たい!よし、行ってみよう」となり

それまで全く山に興味もなければ
正直汚れるし疲れるので敬遠していた
登山に仲間たちと一泊するという名目で
チャレンジしたのです。

大雪山黒岳からの星空。音もなく流れる大きな流れ星。人工衛星。
想像以上の美しさに言葉も出ませんでした。



あまりの美しさに、ますます星や宇宙が
大好きになりました。

山の上から星を眺めていると
自分の悩みの小ささに
心が安らぐことが多々ありました。


自分には価値がないという気持ちにも
大きな星空は、大丈夫だよ、あなたも宇宙の一員だよと言ってくれて
いるように感じ心は安らぎました。

 
結局この仲間とは
「南十字星をみよう」となり
オーストラリアまで行って
星を眺めてきました。


雄大な山や星空は、ぎゅうぎゅうに縛られた心を緩めるために
私にとって、とても大切な時間となりました。



18歳からの約8年間。

自己肯定感はかなり低かったのですが、
仕事も好きでちょっと頑張れば
すんなりとできるようになり
それなりにお給料ももらえて

何もかもが充実していました。

安定したお仕事があり、
職場の人間関係はよく、
車や服、化粧品にお金をかけられる。

職場以外のお友達と山や旅行をしたり
1人でも東京へ買い物という名目で
気軽に遊びにいく。
実家暮らしなので、料理や洗濯も苦も無く
家賃と食費だけ親に渡せば生きていけました。


大変恵まれた環境でした。



母親は、時々否定や制限をしてきましたが


この頃の私は、
「自分は頑張ればできる」と信じて
あまり母親のことは気にならなくなっていました。




ですが、心の根底にあるのは

「自分は、このままではダメ。
まだまだだ。もっともっと頑張らなくちゃ成功しない。」

「どこかにもっと自分が自分らしくいられる
場所や人間関係がある」

と恐れを感じ
いつも自分探しと居場所を探しをして、見えないゴール向かい
いつ私に幸せがやってくるの?と
ドラマの可哀想な主人公になったような妄想に浸る自分がいました。

ネガティブな気持ちは感じないように無視するように行動していました。
 


 

ネガティブな気持ちに蓋をし

悲しくても平気なふりをして
どんな自分も自分だよ、と受け入れないと苦しくなるとは知らずに
必死に笑顔で誤魔化していました。



幸せは、待っていても来ないし、
探しても見つかるものではないとは知らずに。



 
 
次回は
「⑪失敗ばかりの恋愛」です。 
 
 
つづく


いつも最後までお読みくださり、ありがとうございます😊

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