大人にこそ観てほしい「スミス 都へ行く」と「紳士協定」
日常を頑張って生きていると時々無性に「正しい」映画が観たくなります。そういう時私は「スミス 都へ行く」や「紳士協定」を観ます。(両方ともアマプラで観られます)
この2本はいつだって、善い人間としての生き方を問いかけてくれる気がするのです。
「スミス 都へ行く」(原題:Mr Smith goes to Washington)
フランク・キャプラ監督、1939年の作品です。何十年経っても民主主義のあるべき姿を私たちに教えてくれます。
あらすじ:
主人公を演ずるジャームズ・スチュワートがとにかくハマり役です!腐敗した政治に全身全霊で立ち向かう姿も彼が演ずるから説得力があるのです。
75年以上前の作品であるにも関わらず間違ったことが罷り通る政治の有り様は今の時代と1ミリも変わりません。そのことが悲しくもあり、人間と権力の関係の普遍性を見せてくれて納得でもあります。
「紳士同盟」(原題:Gentleman's Agreement)
人種差別をテーマに作られた社会派の巨匠エリア・カザン監督の1947年の傑作です。ハリウッドでタブー視されてきたユダヤ人差別を正面から扱ったこの作品はアカデミー賞作品賞、監督賞、助演女優賞を受賞しています。この事実だけも私は十分に嬉しいです。
あらすじ:グレゴリー・ペックが演じる主人公フィルはユダヤ人問題の記事を書くために自らをユダヤ人と名乗り、体験取材を行います。そんな彼が直面したのは、表立って口にしないだけでユダヤ人を排斥する暗黙の「紳士協定」だったのです。
フィルの幼なじみのユダヤ人デイヴィットの言葉「差別や偏見を目前にして沈黙するのは、それを助長することでしかない。」にこの作品の全てが集約されていると私は思います。
大事なのは問いかけ続ける事
この2本が共通して描いているのは大多数の人が問うことなく行ういわゆる「常識」に是非を問いかける事の困難さと大事さです。
思考を停止して現状をただ受け入れてしまったら人間の尊さは失われてしまいます。
疲れて考えることすら面倒になりそうな大人にはこういう映画が必要です。私はそう思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんがどうか今日も人生の2時間を使う価値のある作品に出会えますように!