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改めて見積りトラウマに向き合う。-『フリーランスのための"お見積"の考え方勉強会』に参加してきました。(2019.2.18公開)

この記事は2019年2月18日に旧Blogで書いていたものです。
移行につき、note転載します。

2019年2月8日(金)に大阪:JUSOコワーキングスペースにて開催された『お見積で損してない?フリーランスのための ”お見積” の考え方勉強会』に行ってきました。

見積をはじめとしたお金関係のイベントは、なかなかお目にかかる機会が少なく、開催されること自体が奇跡です。なので、Facebookのタイムライン上で、流れて来たとき『これは行かねば!』と思ったものの、開催場所が大阪ゆえ、さすがに躊躇はしました。しかし、講師の深沢さんのnote記事と、夫と知人に背中を押してもらえたため、ここぞと思い切って行ってきました。

平日の朝の10時からの開催でしたが、それでも参加された方が多かった!それだけ見積りに対して悩んでいたり、なんとかしたいと思っている人が多いんだなぁと思いました。


大阪まで行って参加した理由。

感想を書く前に参加した理由を。

タイトルにもありますが、10年以上前から見積りに対してトラウマになっており、何とか解消したいと思っていました。
トラウマになったのは、以前勤めていた会社へ転職した後、社長から「見積りをしたことはあるか?」と尋ねられて「やったことがない」と伝えていたにもかかわらず、ある日いきなり、何も教わることがないまま見積り指示されてしまったのがきっかけです。

指示されたとはいえ、何の知識もないので、どのように算出すればいいのかもさっぱりわからない。値段の基準・規定もなくこちらもわからない。途方にくれた私は仕方なく、適当に作って社長に確認提出。

すると「なんでこの値段なの?」などの突っ込みが。今思うと当たり前のことを聞かれただけだとはわかりますが、当時の私は、何も返すことができず、情けないことに言葉に詰まるだけでした。この一件が発端になり、以後、見積り自体に恐怖を覚えるようになりました。

今振り返ると、当時の社員全員、難なく見積りができていたのと、上司自ら「社員全員、経営者になったつもりで仕事をして欲しい」と言っていたこともあり、私も指示しただけで大丈夫、と上司が思い込んでしまっていたのだと思います。

もちろん、自分なりに何とか見積りの仕方を勉強せねばと思いましたが、PhotoshopやIllustratorのように参考書が売っているわけでもない。かといって、過去の案件の見積を見てもさほど参考にならず。

同僚に質問したくても、ずっと忙しそうにしている姿を見ると、質問するのを憚られてしまうし、社長に聞けば「そんなこともわからないの?バカじゃないの?」と言われそうで何も言えない。なにより、無理して地元を出て転職していたので、評価が下がって会社にいられなくなって、地元へ強制送還されるのがなにより怖かったゆえ、一人で抱え込んでしまうことになりました。

月日は経ち、金額を決める恐怖とお客様からのクレームと突っ込みの恐怖と戦いながら、少しづつ経験を重ねてどうにか見積りはできるようになりましたが、初めに味わった負の思いがあまりに強すぎたゆえ、頭に残ったままで今まで来てしまいました。

いくら経験を積み重ねたとしても、最初で躓いているということは、『土台』がぐらついていること。そんな状態なのに、いくら良いものを積み重ねても意味はありません。今後もフリーランスとして仕事をしていきたいと考えている私にとって、トラウマ解消は重要必須事項だったのです。

とにかく。ていねいに解説してもらえることが何よりうれしかった。

もくじの最初に「基本のキ」と書かれていたように、見積りになれていない人でもわかりやすいように、初歩的な算出の仕方からのお話から入り、見積に関してのあるある話に対しての対応方法など、非常に雰囲気は和やかだけど、内容はかなり貴重でどれも聞き逃がせいないようなものばかりでした。詳しくは書けないですが、あるある話や実際の算出実例の話も交えてたり、非常にリアル感満載でした。

あと、クライアント視点の(まっとうな)要望話が聞けたのは目からウロコでした。見積りを出す方法だけでなく、渡される人の視点を話してくださることってそうそうないので。

聞いていくうちに、今まで自分の中にあった疑問や確信が持てずにモヤモヤしていた点などが徐々に解消されていくのがわかりました。本当、どんだけトラウマこじらせてたんだろうか、私。

見積りもデザインと同じ。

深沢さんのお話を落ち着いて伺っていくうちに、自信が持ててはいなかったけど、それで良かったことも多く、ずいぶん安堵しました。長年、自分の中でトラウマになってこじれていたものが徐々にですが解消されていく感覚があったのは、本当にありがたく思いました。

そして、話を聞いているうちに、なんとなくですが『デザイン制作』と同じように思えました。よくよく考えてみると、デザインも見積りも『前提』と『そのようになった理由』がありますし、もし、不満があれば要望を聞いて調整もする。その感覚ていていいのではと思うに至りました。迷った時は、デザイン制作に置き換えて、一旦考えてみるのもありかもしれません。

慌ててしまいそうになる心を落ち着けて、地道に自分の制作時のデータ収集をする上で、クライアントとコミュニケーションができるように金額算出を出していくこと。これが、遠回りのようで実は一番の近道だと思いました。

もちろん、これだけで見積りがしっかりできるようになるわけではないですが、トラウマ解消の取っ掛かりができたのだけでも大収穫でした。

おまけ:JUSOコワーキングスペースについて

さて。今回会場になった『JUSOコワーキングスペース』。実は、以前から行ってみたかった場所でもありました。

深沢さん曰く、元バーだったところを改装したそうです。天井が非常に高いので開放感がかなりあるのと、これは経営されている深沢ご夫妻の人柄でしょうか。入った瞬間、一般的なコワーキングスペースとは違うとてもあたたかい雰囲気が漂って来ました。子どもが遊べるスペースもあり、子連れで来ることもできるところはちょっと感動。

この日は、ここで奥様手作りのお昼ごはんをいただきました(ちなみに300円!)。ごはんを食べながら、参加された方といろいろお話させていただいたのもなかなか貴重でした。この日は久々に充実した時間を過ごすことができてとても嬉しかったです。

講師の深沢さんはじめ、主催のエリアマイスターさん、そして大阪のみなさん、仲良くしてくださってありがとうございました。思い切って行って本当に良かったです。

会場内の様子。なんとも和やか。
出入口の写真。雰囲気が何となく気に入ったので撮影してしまいました。

【2024年追記】
実は以前、見積りトラウマの話をとある方にしたことがあったのですが、「それでも、それ(未経験で見積りしたこと)は良い経験になったのではないですか?」と言われたことがあります。確かに見積りを勉強しようと思ったきっかけにはなったので間違いではないです。しかし、やはり見積というのはお金と信頼、つまり「会社の血液」と同じものを得るための重要な書類だと思うんですよね。そんな重要なものをいきなり何もできない人に伴走もなくぶっつけ本番でさせてしまうのは事故の元だと思うのです。その考えは今でも変わりません(上記には書いてませんが実際大事故起こしました)。

『未経験でもやってみることは大事』。それは理解はできますが、後々の自分への影響と失敗した時の大きさ・リカバリーも考えないといけないなと思ってます。それこそ失敗して再起不能になれば元も子もありませんから。

…と、ここまで書いてみて気づいたのは最初に見積りした方々の偉大さ。
何もないところから始めてるということはそれだけ色々トラブルもあったと思います。そのトラブルを元に繰り返さないために様々な方法や教訓ができてきてるのですから。これは先人の皆様に感謝しかありません。

見積りは今後もついてまわることです。これからも機会があれば勉強会など参加したいと思います。…でも、もしかしたらそのうちAIで見積がトレンドとかになるんですかね???

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brightflavor@Webデザイナー×イラストレーター×グラフィックレコーダー/フレーズライン
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