物流の「2024年問題」、知ってる人は少ないらしい
2024年問題とは
「2024年問題」とは、2024年4月から、ドライバーの労働時間に関わる法的規制が変わり、これまでよりも短時間しか働けなくなることを言います。
働ける時間が短くなるので、運べる距離が短くなったり、運べる量が減ったりすることになります。
とくに450kmを超える長距離輸送、片道150kmを超えた往復輸送には、大きな影響が出ると思われます。今までと同じにはできなくなります。
政府も危機感を持ち、首相が対応するよう指示を出しました(上記写真、2023年3月31日「第1回我が国の物流の革新に関する閣僚会議」)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/31butsuryu.html
2024年4月に何が起こる?
ドライバーの日々の働き方は「改善基準告示」により規制されています。これが2024年4月から変わります。
1日にとるべき休憩時間が1時間伸ばされ、拘束してよい時間が短縮されます。これが長距離輸送に大きな変化を引き起こします。
ある試算では、これまで1日に660km離れた場所への納品ができていたのが450kmしか行けなくなります。ドライバーを日帰りさせたい場合には、片道150km程度しか行けません。
この変更について、下記のようなパンフレットが作られているのですが、いまひとつ知られていないようです。
パンフレットに「令和6年4月」と書かれているのも残念です。せっかく世間では「2024年問題」という言葉に関心が持たれるようになってきているのに、同じ問題のことであると認識されないおそれがあります。
対策しないと困るのは荷主です
もしかすると「2024年問題」として知られているのは「残業時間規制に違反すると罰則が付く」ということかもしれません。
2024年4月から、ドライバーの残業時間の上限が年間960時間に規制されるというものです。「年間の上限なら、しばらくは大丈夫でしょ」という感覚があるのかどうか、「2024年問題」に対応している荷主は、まだ少ないように感じられます。もちろん、意識の高い荷主、運送事業者は既に対応が完了していますが。
もしかすると2024年4月以降、「荷主さん、それは運べません」と言われて初めて、気が付く荷主もいるのかもしれません。
なるべくそういったパニックに陥る人が少なくなるよう、情報発信していきます。