ごあいさつ
私は、アセンド・ラピスという小さな出版社で、編集人をしている高橋といいます。
noteを始めることにしましたので、まず自己紹介をさせてください。
私は長年、外資系のIT企業で、システムを作る仕事をしていましたが、数年前に定年で退職したのを機に、それまでのキャリアは捨てて、新しいことをゼロから始めることにしました。
お金儲けのためだけに働くのは何となく気が進まず、また普通の起業は自分にはハードルが高いと思われたので、友人と一緒に、北区の主催で行われた、コミュニティビジネスの起業セミナーを受講しました。
コミュニティビジネスというのは、地方自治体の地域的なコミュニティのニーズを満たす事業を、地方公共団体の主導ではなくて、ボランティア活動で担うもので、ただし完全なボランティアだと、持ち出しになり事業が続かないので、普通のビジネスの形態で事業を回していき、その中で、社員の給料や経費を賄うというようなスタイルの事業のことを言います。
つまり、コミュニティビジネスの事業の特徴としては、その事業の経営のモチベーションが、もっぱら地域の人たちに貢献したいという思いにあります。したがって、(1)その地域に、何か足りない商業サービスがある(2)事業を始める人に、人々のお役に立ちたいというやむにやまれぬ思いがある(3)事業を始める人に、スキルやリソースなどの適性がある、などという条件が必要です。
コミュニティビジネスと似た活動で、地方創生の活動がありますが、これは地方の人口減少への対応という文脈の中で、ある地域の環境自体を変えていくような、大きな取り組みを含みます。一般に、コミュニティビジネスは、戦略的というより、専ら戦術的なもので、地方公共団体の計画の中に位置づけられるような、もう少し小さな単位のサービスを担うという感じだと思います。
実は、私は、このセミナーの講師をしていた、NPO法人コミュニティビジネスサポートセンターの永沢映氏とは、旧知の間柄です。永沢氏がしていることは、一種の教育事業だと思っているのですが、退職を機に、どんなものか一度受講してみて、もし自分にもできるようなものなら、やってみようかと思って受講したのでした。
結果的には、いわゆる一般的なコミュニティビジネスは、自分にはできないと思いました。街角カフェにも、子ども食堂にも、お弁当屋さんにも、パン屋さんにも、介護タクシーにも、全く興味関心が湧きませんでした。
ただ、「お金儲けを目的とするのではなく、社会貢献を目的としたボランティア活動を、ビジネスのスタイルでやる」というコンセプトには、とても共感しました。そこで、セミナーの最終日に、「自分は何をしたいか」を発表するときに、自分達の興味関心のある分野で、しかもスキルを持っていて、やろうとそればできることを考えて、「出版社を作りたい」という話をしました。
出版社を作る場合、特に取次との契約にハードルが高いことは誰でも知っているので、セミナーの参加者は誰も本気にしていませんでしたが、結果的には、セミナー受講後、一年たたずに、最初の本を出版することができました。
出版社をコミュニティビジネスでやるということは、普通はありません。また、元々出版事業は公共的なものなので、小さな出版社をやっている人は、大抵、採算は関係なく、儲からなくても、何らかの使命感のもとにやっていることが多いと思います。ですから、殊更「コミュニティビジネス」と言わなくてもいいのかもしれません。
あるとき「コミュニティビジネスで出版事業をやってもいいのか」と永沢氏に尋ねたことがあります。すると「コミュニティというのは、地域的なものに限らない。スピリチュアルな人たちのコミュニティがあり、そのニーズを満たすようなものであれば、コミュニティビジネスと言ってもいい」ということで、お墨付きをもらったので、現在、コミュニティビジネスを標榜しています。
今のところ、年1~2冊のペースで本を作っています。そして、本を作るだけでなく、本を作った後、著者のコミュニティを広げる作業の方に時間をかけています。具体的には、YouTube動画を作ったり、編集したりする作業です。
このnoteでは、私が、普段やっていることを中心に投稿していきたいと思いますので、自然に、毎日作っている動画のご紹介などが多くなるのではないかと思います。
よろしければ今後も時々お読みいただければありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。