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青春恋愛小説の三種の神器は、水族館、図書館、そして花火
青春恋愛小説を読んでいると、よく登場するのが、水族館と図書館、そして花火です。これらを青春恋愛小説の三種の神器と勝手に呼んでいます(僕が考えただけですので、一般的ではないかもしれません。他の候補があれば教えてください)。
どれも、よく見かけませんか? 日本の恋愛映画でも多い気がします。
書く側からすると、それらを使いたい気持ちはわかります。
水族館は水槽やイルカショーとかふたりが接近できる場所が多いし、薄暗い雰囲気もあるので、恋愛が深まりそうな感じがします。
水族館の生き物は種類が豊富なので、蘊蓄のネタにも事欠きません。
図書館も、ど定番ですね。昔は貸出カードに書かれた名前から好きな人を見つける話がありました。貸出カードはなくなった現代でも図書館で出会う話は多いです。それは多分、読者に本好きな人が多く、図書館が馴染み深い場所だからだと思います。
静かな雰囲気も恋愛が熟成するのに適した場所な気がします。
花火は、多くの青春恋愛小説に登場しているような。浴衣姿で打ち上げ花火を見上げるふたり、手持ち花火で遊ぶふたり、線香花火をじっと見つめるふたり。夜というのがまたいいですよね。
僕の小説の中では、もっとも青春している「ふたりの余命」では、図書館と水族館が登場します。図書館はふたりでは行かないですが、図書館で出会った本がふたりを繋ぐ役割を果たしています。
水族館は、ふたりがデートする場所です。どうして水族館を選んだのかよく覚えていませんが、いろいろな魚がギャグにしやすくて、楽しい雰囲気を作りやすいと思ったからかもしれません。
でも、デートのシーンを書くのって恥ずいんですよね。だから、この水族館のシーンだけ、箇条書きのギャグを並べています。
「ふたりの余命」には花火は出てきません。理由は特にありません。余命と花火は相性が良いと思うんですけどね。
まあ、でも、恋愛小説を書くときに、デートの場所を考えるのはむずいです。ど定番以外にどこがあるのか、いつも悩みます。動物園、テーマパーク(「ふたりの余命」で使ったなあ)も定番だし。陶芸とか体験デートだと、集中しているから会話が生まれにくいし。
一体どこがいいんだろう。
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