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小説新人賞に年齢制限はある?50歳を過ぎて作家になった人の話

僕が商業作家としてデビューしたのは50歳を過ぎてからでした。まあ、遅い方ですよね。75歳で芥川賞を受賞された黒田夏子さんがいらっしゃるので、僕なんてまだまだですが、それでも同じような例は決して多数派ではないと思います。

デビューするまで、長い間小説を書き続けてきました。
商業デビューするのに最もオーソドックスなパターンは、小説新人賞を受賞することです。
僕も小説新人賞に応募していましたが、落選続きでした。ご存知の人も多いと思いますが、新人賞の競争率はかなり高く、なかなか通りません。僕が奨励賞を受賞した第12回ポプラ社小説新人賞には1105作の応募があり、そのうち何らかの賞を受賞したのは、5作だけです。競争率は約221倍でした。

落選続きでも、書き続けることができたのは、自分がしつこかったからだと思います。
どちらかというと自堕落な方なのですが、一度決めたらしつこく続けるのは得意とするところです。このnoteも次回作を刊行するまで毎日投稿すると決めてから250日以上続いています。

不思議なことに小説家になる夢を諦めたことはなかったのですが、50歳を過ぎてから、新人賞を受賞することはないのでは? と思うようにはなりました。
長く投稿している人や年をとってから投稿をはじめた人は、年齢による足切りがあるのでは? という思いが一度はよぎったことがあるのではないでしょうか。
実際には、多くの賞に年齢制限はありません。年長者は当選しないと公にしている賞もありません(あったら、炎上しそうです)。
今までは2次選考を通過した新人賞に1次も通過しなくなったときは、年齢制限ってあるかも? と僕も邪推したものです。
現実に、さまざまな賞の受賞者の年齢を確かめると、若い人が多い傾向にはあると思います。若い年齢の人が多く投稿しているだけかもしれませんが。
若い人を優先して受賞させたい出版社の気持ちもわかります。若い人の方が伸び代が大きいだろうし、もしヒットしたら、長い間作品を書いてくれます。人には寿命というものがありますからね。

そう思いはじめていたときに、ポプラ社さんから賞をいただけたので、本当に驚きました。応募したときに年齢を記しているので、僕が50歳を過ぎているのを承知のうえで、編集者の方々は受賞を決めたわけです。
というわけで、少なくても「ポプラ社小説新人賞」が年齢不問なのは間違いないです。

すべての新人賞に年齢による足切りないかはわかりませんが、少なくても一つの新人賞に年齢制限はないと言いきれます。僕が生き証人(?)です。

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