1000人を面接してわかったのは「第一印象を壊す重要性」
会社員時代、支社の立ち上げや新入社員の最終面接をしていたので、おそらく1000人くらいと面接をしました。
人を選べるような人間ではないけど、ポジション的に仕方なくやっていましたね。
1000回も面接をすると、コツみたいなものがわかってきました。
僕が会得した面接のコツは、「第一印象を壊すこと」です。
面接を長くやっていると、面接室に入ってきて最初に志望動機を言ってもらうだけで、どういう人か大体わかってしまいます。いや、わかったつもりになってしまいます。
その人が醸し出す雰囲気で性格や能力までわかった気がしてしまいます。
この「わかった気がする」が面接の一番の大敵です。第一印象は外見の印象に引きずられてしまうし、インタビュアーの好みも出てしまいがちです。
また、第一印象は作ることができます。表情や態度、志望動機は練習を積めばある程度のスコアを稼げます(その練習をした努力はポイント高いですが)。
だから、面接では「第一印象を崩す」質問をするようにしていました。志望動機を聞いた段階で、「良い」と感じたことがどれだけ良いのか、「悪い」と思ったところがどれだけ悪いのかがわかる質問をし続けます。
当たり障りのない質問をしても、その人の本当の良し悪しは分かりません。深掘りをする質問が必要です。
例えば、「話が流暢」と思った人には、少しだけ変化球の質問を投げて、それでも流暢に回答できるか確認します。
朴訥な人には、多少アバウトな質問をして、つっかえながらでもいいから努力して話し切れるかを確かめます。
面接で完璧な人間はほとんどいません。だから、その人が欠点を長所でカバーできるのか、その欠点がどれだけ深いのか知りたいわけです。
そうやって、その人が第一印象通りなのか、そうではないのか相手の印象の解像度を高めていきます。
面接でその人を正しく把握できないのは、その人にとっても企業にとっても不幸なことです。その人には合わない会社に入社しても辛いだけですから。
だから、第一印象を壊して、本当のその人を知りたいのです。
よく、面接の短時間でその人の何がわかるという人がいますが、長所と短所を掘り下げる質問を的確にすることで、その職場にあった人なのかどうかは大体見極めがつきます。
あくまでも「一緒に働く」という観点だけであって、その人の本質がわかるわけではありません。本当にその人を知るには長い年月が必要だと思います。