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猫は毎日鳴く~ある日目が合った猫の話~

近況、猫のごはん、それから。

先日はnoteを見てくださり、ありがとうございます。
最近の近況ですが、
我が家に最大で6猫いたこともあり、
1猫と人間だけの、静かな日々が訪れた我が家は、
いっそ静まり返っているようでした。

私と言えば、何をやっても元気は出ないし
かつて猫がいた場所をふと見ては、
あそこで毎日寝てたな、
ここに来ると遊んでと声を掛けられたな
一緒にひなたぼっこをしたな。
なんて思いだす。
これが本格的なペットロスってやつなのかと
毎日をぼんやり過ごしていました。

そんな日々でも、人間なので毎日仕事はあるし
部屋だって汚くなるので掃除をしなきゃいけない
でも掃除をすると、結構出てくるんです。
前そこにいた子たちの抜けた爪とか、
ヒゲとか。
まあそりゃ出てくるよね、って言いながら掃除をしていると
ふと以前、何も食べなくなったしまおが
唯一食べていたレトルトパックが出てきました。
それは結構な量。
カリカリは口が痛くなってしまう
ちゅーるも薬を混ぜてあげ過ぎて、苦手意識が出てしまったしまお。
ある日友人からこんなのがあるよと聞いて買ったのは
おにく生活。というあまり店舗にはおいていないレトルトでした。

今元気にしているチロルは、おにく生活は食べません。
(カリカリが大好きで、他は結構です!と断られてしまいます)
放っておいても賞味期限が切れてしまうしと、
インターネットで見た『犬猫譲渡会への寄付』をすることに。

テレビなんかでも、最近よく聞く『保護猫』
名前だけ聞くと、ただ猫を保護して回っているのかなとか
なんとも安直な事を考えますが、
詳細を聞けば、
現実はとてもそんな文字数に収まらないくらい、
ボランティアの人たちの努力と努力と努力で
成り立っているものでした。

その『犬猫譲渡会』で、目が合ってしまった。
今日はそんな猫くんのお話をさせてください。

大人の苦しい言い訳。

言い訳をすると、新たに家族を迎えるつもりはありませんでした。
譲渡会へご飯を寄付して、
もし今おうちがない猫たちに、ボランティアで出来ることがないか聞いて、
そのまままっすぐ帰るつもりでいました。

しまおもごまも、その兄弟やお母さんもみんないなくなってしまって、
毎日本当に悲しくて、
それでも家にはチロルがいる。もうそれで充分じゃないかと。
今思えば、前に進む勇気がなかったのかなと。
新たに家族を迎えるということは、また別れが来るという事ですから。

そんな苦しい言い訳はともあれ、気づけば我が家に猫がやってきました。

初日にさっそく挨拶にきたチロル。

我ながら思いますが、決めてからの展開が早すぎる。

犬猫の譲渡会について

彼の名前は、クロシロくん(保護先での仮名)。
この子を迎えることになったきっかけをざっくり話すと、
ご飯を寄付しようと、当日会場に直接向かい、
ぱっと譲渡会スペースを覗いた時に、
どうしてか彼の入っているキャリーが目に入ったんです。

気になってつい覗いてみたら、
本当なら来る人来る人の好機の視線に晒されて、
ずっと怖い思いをしているだろうに、
彼だけは、まるで諦めたように普通の様子で、
人間の通る道を見つめていました。

とある店舗に臨時で設けられた譲渡会スペースは、
長テーブル二つ分くらいのほんの小さなものでした。
そこに並べられたいくつもの猫たちの中には、
どうにか人間と仲良くなりたいと近付いてくる子
怖がって奥に入って出てこない子
お腹が空いたよと鳴く子
そんな子たちがほとんどだったのに、
何でかこの白黒の猫は、
『どうせ見るだけ見て帰るんでしょ?』という
顔をしているように見えました。

正直な話、めちゃくちゃ気になってしまった。
家族にも伝えた『猫は見ないし、貰って来ないから』の誓い。
終わりの始まり、というやつです。
早かった…。

元家猫、元野良猫、それから今。

譲渡会当時は、この子と目を合わせて声を掛けて、それだけでした。
寄付だけ、それだけ!と決めていたし、
この子に期待をさせてしまったら申し訳ないと思ったからです。
(しかしこうして振り返っていると、決意が弱すぎる…)

それでも、家に帰っても何日かしても、どうしても気になってしまって、
後日、連絡先をもらった保護主さんから、詳しく話を聞くことに。

その時、この子は、以前はおじいさんと生活していて、
そのおじいさんが高齢で施設に入ることになり、
ご家族も引き取れないからと、一か月ほど屋外にひとり、放り出されていたという話を、聞きました。

恐らく季節は昨年の秋ごろ。
気温は冬に比べて穏やかとは言え、
安全な室内から、おじいさんの膝の上から、
突然こわいことばかりの屋外に出されたこの子は、
どうやって一か月、ひとりで過ごしたんだろうと思いました。
話を聞きながら思わず泣いてしまった。

室内から廊下をぼんやり見る。

外に出て一か月が経とうというある日、
元居た家の近所に住む方が、
あの子おじいさんちの子じゃない?と、
保護活動をされている方に連絡をしてくれたそうです。

捕獲した当時は、すっかり人を怖がって、
捕獲機でしか捕まえられないすっかり野良猫になっていたようで、
シャー!と威嚇もしていて。
保護活動の方によれば、人に懐くだろうかと心配になったと。
新しいおうちが見つかるかは、正直賭けかもしれないと思ったということでした。

それから約半年。奇跡的に何も病気を持たずにいられたこの子は
去勢手術を受け、ワクチン接種を受け、
譲渡会デビューを果たしたそうでした。
その初日に私と会った、そういう時の流れでした。

そしてすんなり譲渡トライアルが決まってしまった。
保護主さんは、正直驚いたと言っていました。
それから安心したとも。
お話を聞いて、私も少し驚きました。
そんな偶然があるのかな、と。

はじめての譲渡トライアル。

譲渡と言っても、その当日すぐに、ようこそ我が家へ!
という訳ではなく、
『2週間~一か月、その家に馴染めるかトライアル』を経て、
問題なければその家の子へ
問題があれば、保護主に返却…という仕組みになっています。

正直、本猫と一度も触れ合ったことがなかったので、
私に懐いてくれるかは本当に分かりませんでした。
まず保護主さんの家に会いに行って、
どんな子だろうか、私に合う子かどうか見極めて。
それからトライアルを始めようと段取りをしていたんですが、
私とその家族は、この子の見た目から、
何の根拠もないですが『問題ないんじゃない?』と、
早々にトライアルを始めてもらうことに決まりました。

前にいたごまに雰囲気がどこか似ていたのも、
背中を押した理由のひとつでした。

保護主さん、その節はスケジュールを速めてくださって、ありがとうございました。

我が家にトライアルで来たこの子は、
初日こそ少し緊張していた様子でしたが、
私がご飯をくれる人、という認識に彼の中でなったのか、
お腹が空けばニャンニャン大声で鳴き、
しっかり躾をされていたようでおトイレ周りの粗相も全くなくこなし。
2日目に家族からもご飯をあげてもらったことで、
まるでこの家にずっといる猫みたいな顔をして、暮らすようになりました。

この写真は一週間経過時のものです。
私がゲームをしていても、仕事をしていても、何をしていても、
椅子に座っているとまっすぐに膝に乗ってくる猫になりました。
私がいない時は、ひとりで椅子に寝ているので、
自分のベッドであり、私はもはや布団のような存在なのかもしれません。
この椅子ね、結構高いんだよ、少年。

二週間経過、すべては猫次第。

これを書いている今も、彼は膝(というか太腿)の上で熟睡しています。
食いしん坊で、良く鳴いて、寂しがりで、甘えん坊で、
それから、少しだけごまに柄が似ている。
そんな彼は、今日でトライアル開始から、二週間を迎えます。

多分大丈夫だと思うけど、
明日起きたら、もう一度彼に『うちに住む?』と聞いてみて、
保護主さんに、正式に引き取りたいと連絡をする予定です。
最初の一週間は、規定で毎日様子を報告していたのですが、
保護主さんは毎日「よかったです」と返事を送ってくれました。

人も猫も、どこに縁があるかなんて本当に分からなくて、
彼との出会いも偶然で。
たまたま、前一緒にいた子と柄が似ていて、
でも性格はちょっと違って。
(ごまも甘えん坊ではありました。男の子ってそういう感じな事が多いですね)

これから、彼とどんな生活を送るかはわかりませんが、
今までの嬉しい出会い、それから悲しい別れのことを忘れず、
猫のことを考えて、大切に一緒に暮らしていこうと思います。


余談ですが、
最初から健康に気を配ろうと思うと、ちょっと、いや結構、
すごくお金がかかります。
動物と暮らす人は、お財布具合にお気をつけて!!
私は明日から、お弁当のグレードを下げていこうと思います。笑

それでは、また次の記事にて。
読んでくださって、ありがとうございます。

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