介護が始まるのはいつ?
あなたはいつから介護が始まると思いますか?
なんと介護はある日突然始まります。わたしの父もある日突然、65歳という年齢で介護状態になりました。そして、あれよあれよという間に寝たきりになり、68歳で人生の幕を閉じたのです。
現役時代、車の修理工場を営み職人気質で頑固だった父。
趣味はパチンコで「今日も勝ったよ」と言っておみやげのケーキを満面の笑みで手渡してくれたあの光景が、今でも昨日のことのように思い出されます。
そんな父に異変が起こったのは、わたしが30代半ばで新しい会社に勤め始めた頃のことでした。ある日の休日、いつもの時間に起床しない父を不思議に思い、声をかけに部屋へ行きます。すると布団も掛けずに、うつぶせでいかにも苦しそうな体勢でいるではありませんか。その様子に違和感を覚えながら父の横に膝をついて声をかけました。すると父は「あー、あー」とだけ声を出し、何か言いたげではあるものの言葉になっていません。反応があるので緊急性を感じなかったわたしは、まずかかりつけ医に電話をしました。診察前のため、お医者さまは不在。さいわい看護師さんがいたので、いつもと違う寝姿や声の出し方などの状況を説明します。すると看護師さんは「緊急性が高いので、救急車を呼んで!」と強く言ったのです。そんなふうに言われるとは思ってなかったわたしは、面食らいながら慌てて119番通報をしました。何が起こっているのか理解できないまま、とにかく言われるままに救急車に乗り込み、病院でお医者さまの話しを聞き、入院の手続きをしました。
診断の結果は脳梗塞。入院中のことをはじめ、退院後のことも考えなくてはいけません。退院後には、身体にマヒが残るため見守りが必要でした。母はすでに他界しており、母子家庭のため家計をささえるべくフルタイムで仕事をしていたわたしは、介護のために仕事を辞めるという選択肢はありません。誰かに相談したくても何をどこに相談したら良いのかわかりませんでした。友人・知人に相談しても、解決方法を見付けることはできず途方に暮れたことを覚えています。
ここからわかるように、いざ介護に直面した時に誰もが戸惑うのは
『情報収集』です。
この『情報収集』のためにまず知っておいて欲しいのは、お住まいの地域に必ずある“地域包括支援センター”の存在です。ここは、介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える「総合相談窓口」になっています。場所は役所や自治体のホームページなどに案内されていますので調べておくと安心です。
ちなみに、急に家族に介護が必要となった時、まずは何をしたらいいのでしょう。
それは『介護保険の申請』です。
そうすることで、一部の負担金で介護サービスを受けることができます。
介護は突然やってきます。
いざという時に慌てないためにも、事前に相談できる場所を知っておくことをお勧めします。
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