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[詩]白鳥の唄

子供の頃、飛べるようになったのは
"あなた"が私を守ってくれたから
でも、まだまだ不安を抱え込んでいた
そんな私だったけど、深い愛で包んでくれた

ハナミズキがまた赤く実をつける
植物はなんて律儀なんだろうって思う
川の流れは、流れるようにこの世界を
次への未来へと流していく

別に、輪廻転生を信じるわけじゃないけど
それぞれ似ている部分がある
そのシンパシーを無意識に感じながら
この世界を生きている

でも、同時に全員が味方じゃないってことを知ってしまった日
私はとても胸が痛かった
この世界で一人きりになりたかった
無意識のうちに、愛される自分が当たり前だと思っていた

でも、"あなた"は生まれてから今まで愛し続けてくれていた
私を愛してくれる人がいるなら、私は自分を嫌いになっている場合じゃないと思えるようになった
ありがとう、ありがとう

"あなた"が誰かを愛したように
最近は誰かを愛したいって思うようになった
でも、それはとても難しいこと
だって皆、自分のことで精一杯だもん

私のせいでもあると思うな
簡単に人を信用しないし
心も、あまり強くないもの
ただ時間だけが流れていくな

でも、愛を求め続けるだけが答えじゃないって思う
だって、私を必要としてくれる人は
それなりにいるし
その人たちのために生きていこうって決意したから

もし、惹かれあう人がいるなら
その人をずっと愛していたい
その人がどんな風に生きていても
どんな風に困っていても
”あなた”が私を愛してくれたように
無償の愛を捧げていたい

大事な人が少しづつ増えることで
私は、生きている意味が見いだせると思う
そして、いつかその人との子供を育てていきたい
子供には、この世界の素晴らしさを教えてあげたい

世の中、一杯素敵なところあるんだよ
春の山桜、秋の紅葉、それに輝くような星たち
全てを飲み込んでくれるような
透明で鮮明な海原

それらを子供らに見せたい
「この世界は素晴らしいんだよ」って教えてあげたい
哀しみや、苦しみも全部ひっくるめて
次の世代に伝えていきたい

"あなた"の想いを忘れない

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