[詩]虫工
七色で染めてほしいんです
誰かに見てもらえるように
七色で染めてほしいんです
誰かを愛するために
こんな単色光しか発することができない自分に
もう誰も興味ないのは分かってます、それで十分です
自分は青しか発せないんです
冷たい態度をとれば誰もが冷たい態度とります
でも、暖かい態度とって傷つくのは痛すぎます
真っ黒に染めてほしいんです
自分はいなくなった方が恥ずかしくありません
透明に染めてほしいんです
いっそのこと見えない人間になってもいいですか?
夜になると
全ての色が、薄くなります
その時間になると
妙に安心するのは
普段、皆が色彩豊かだからでしょうか
ただ自分の色も
子供の頃に比べて交ざってしまってはいるけど
これはこれで、自分だけの色なんでしょう
七色なんかに染めなくてもいいから
自分のやりたいことやりたいんです
本当の目的は何なのかを決めて
楽しみたいんです
自分の好きな色で染めたいんです
人生思いどおりに行かないもんだから
綺麗なんかに染めなくても
ただただ少しだけでも染めたいんです
そうやって一つ一つ虹に近づきたいんです