[詩]蝉の声
人は誰もが、自分なりの目標を探して歩く
だけど、夢の長さに誰もが飽きて
ついには自分にさえ飽きてしまっている
こんな自分では誰にも愛されないなと感じる
それはそう、だって
愛される保証なんてどこにもないから
ただ、その気持ちを言い訳にするのではなく
自分を愛するために、気持ちを燃やして
蝉が鳴いている
自分の死ぬまでのカウントダウンを刻んでいるよう
蝉が鳴いている
本当に好きな人と
愛しあえるわけではないという恐怖を
抱いている、抱いている
鳴いている、鳴いている
蝉が鳴いている
失ったものだけを数えれば
君は東京の街の人ごみに
ただ、まぎれてそして睨まれる
その心の置き場を、探し巡った東京ベイ
平然と生きているようにみせて
心の中が空っぽなら
思う存分、遊んでくればいい
この世界をまずは愛していよう
蝉が鳴いている
自分がこの世界に生きる上で悔いのないよう
蝉が鳴いている
この世界に自分の鳴き声を聞いてくれる人が
一人でもいればいい
独りぼっちな人の心に寄り添って、共に立ち直りたい
それが、自分の生きる意味
蝉は笑っている
久しぶりに飲んだお酒
ひっくり返って、その場で寝転んで
つまらぬ世の中に
両手で乾杯してみましょう
世の中、もう少し期待してみましょう
蝉が死んでいる
まるで、二日酔いのように仰向けになって
蝉が死んでいる
生きることの素晴らしさはもう感じなくて
惰性で生きているとしても
失くしたものを歌う力に変えて
歌ってましょう、歌ってましょう
笑ってましょう、笑ってましょう
あの世でもまた
会いましょう、会いましょう
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